「イスラエル民族が、エジプトから解放されてのちのモーセの幕屋理想は、統一王国に至って初めて、国王を中心とする神殿理想として現れ、王国をつくったのであるが、これは、将来イエスが、実体神殿として来られて王の王となられ、王国を建設するということに対応する形象的路程であった」(『原理講論』472〜473ページ)
復帰原理には、「幕屋」や「神殿」が何度も登場します。それらを建設することは、天が選民に与えられた摂理的使命でした。彼らは天命を絶対視し、サタンの讒訴圏を超えて、王の王・真の父母を象徴的・形象的に迎える基台を造成しなければなりませんでした。すなわち、幕屋や神殿の建設の目的は、将来、人類の真の父母をその実体として迎え、神様の創造理想が安着する、神様の主権を中心とした王国を地上に建設するところにあったのです。
去る四月十七日に開催された「天苑宮勝利奉献決意式」で、真のお母様は次のように語られました。
「真の父母の顕現を通じて、皆さんが必ず知らなければならず、責任を負うことのできるそのような位置、全てのものを清算した位置で、新しく出発する、二〇二三年五月五日を迎えるように願います。……
私たちの地上生活の生涯には、影があってはなりません。影になりうるものは、全て捨てなければなりません。天上天国に行く〝私〟の姿は、クリスタルよりももっと澄んでいなければならないのです」
一年後に控えた天苑宮(天一聖殿)の奉献に当たって、私たちの姿勢を正し、個人、家庭、教会の影の清算に向けた精誠の大切さを強調されました。
天苑宮は、天一聖殿を霊的中心に据えた神殿です。その奉献のために、まずは私たち一人一人の姿勢が問われているのです。
国を取り戻すための天の摂理
真のお父様は聖殿建設に向けて、以下のように語られています。
「イスラエル民族がバビロンに行って暮らし、そこから戻ってきて最初にしなければならないこととは何だったかというと、国を指導できる聖殿を建てることです。それでは、イスラエル民族は聖殿を建てて、何をしようというのでしょうか。自分の暮らしが問題ではありません。国を取り戻さなければならないのです。イスラエル民族がカナンの福地に来たのは、国を求めて来たのです。建国のためだったというのです」(1988年2月24日、『環太平洋摂理と巨文道』56〜57ページ)
天の摂理において、聖殿建設と国家建設を切り離して考えることはできません。聖殿を建てる目的は国を建てるところにあり、聖殿はその国を指導する霊的中心拠点となるのです。民の心を天に向ける最も聖なる所となり、国家の為政者が天の声を尋ねる聖所となるのです。
天一聖殿(天苑宮)奉献は、「神統一韓国」の基盤造成を果たし、その安着を成就するために、王の王としてその位相を確立された人類の真の父母を安着させてさしあげるための摂理であり、選民である私たちに与えられた天命なのです。
奉献された天一聖殿を中心とした天苑宮は、真の父母の位相と価値を万民にあまねく知らしめる天一国の総本山となります。そして、天上の真のお父様と地上の真のお母様が、人類の真の父母として、霊界と地上界の主管主として立たれ、「天の父母様聖会」を通して地球星の全ての人類を抱える中央本庁となるのは間違いないのです。
天一聖殿奉献と天寶家庭奉献
聖殿を通して国を取り戻すということは、すなわち「民」を取り戻すということでもあります。真の父母を中心とした家庭理想の伝統を相続し、神様を天の父母様として侍り、互いに兄弟姉妹として愛の伝統を立てていく民が必要です。それが正に天寶家庭が率いる氏族共同体の群れです。
天心に立つ氏族メシヤが天意に従って国家のリーダーを選出し、天の父母様(神様)が安着できる国づくりに取り組む使命が、天寶家庭にはあるのです。天寶家庭が抱える四百三十家庭は民族・国家の象徴であり、未来永劫にわたって天の伝統を守り、後世に伝達していく選民なのです。
真のお母様は、「天寶家庭となることは天一国の民としての使命の完成であり、天寶家庭に登載されるようにしてあげることは天一国指導者としての使命の完成です」(2020年12月23日)というみ言を下さいました。
天の摂理から見て、「天一聖殿奉献」と「神統一韓国安着」、そして全祝福家庭の「天寶家庭勝利」は三位一体の摂理であり、どれも切り離すことはできません。
天一聖殿奉献の時は、同時に私たちの天寶家庭奉献の時でもあるのです。