真のお父様を霊界にお送りしてから、すでに十年が過ぎ去りました。霊界での総司令官として、地上摂理と連結しながらも、天上世界での役事を牽引される立場において、どれほどご苦労が多いことかと拝察いたします。
特に、天上世界は、地上人の摂理的な歩みとみ旨に向かう精誠が密接に関わるだけに、私たちが天上世界にどれだけ善なる影響を届けることができているのかを考えると、申し訳ない心があることも否定することができません。
真のお父様を霊界にお送りした直後から、真のお母様は痛む心情を抑えながら、心折れる子女たちに向けて「中断のない前進」(2012年9月17日)を宣言され、鼓舞してくださいました。そのときのメッセージに込められた四つの願いをどこまで果たしてくることができたのか、改めて十年を振り返って反省し、年始めの新たな決意の起点としたく思います。
「第一に、私たちは、真の父母様が立ててくださった伝統を絶対に生命視しなければならず、子孫万代まで相続、伝承させなければなりません」
真の父母様は、「ために生きる」生涯を通して、真の愛と心情の伝統、み言の絶対基準と儀礼の伝統、そして、孝情を中心とした心情文化の伝統を立ててくださいました。特に、その生涯を、天の父母様(神様)を中心とした蕩減復帰摂理路程に投入され、その節々で語られた珠玉のみ言を訓読する訓読会の伝統は、各家庭、教会、あるいは集会において最も中心的伝統とならなければなりません。
加えて、天の秩序の伝統を明確にしてくださいました。『原理講論』に記されているように、天の父母様と完全に一体となられた真の父母様を中心としてこそ、一糸乱れぬ統一体を築くことができることを教えてくださったのです。
そのために、私たちは「天心」を尋ね求め、家族的共同体の中心に天心を迎え入れていかなければなりません。天心修行の生活は、私たちの信仰生活において核心となるのです。
「第二に、天が祝福された祝福家庭の理想を完成しなければなりません」
神様の創造理想の着地点は、家庭です。真の愛、真の生命、真の血統の相続と出発の基点が、家庭なのです。私たち祝福家庭は、天の一方的な計らいの中で、天の父母様の息子、娘の位置で家庭を築くことを許諾されました。
その家庭が、「真の愛の基地であり、真の生命の基地であり、真の血統の基地である!」と、確信を持って宣言できるでしょうか? 夫婦は、絶対愛で一つになれているでしょうか? 子女をみ言で正しく養育し善導できているでしょうか? 天の父母様に侍る模範家庭となれているでしょうか? 正午定着の基準で、縦横に心情的伝統が定着できているでしょうか……。
自戒の念をもって省察するなら、反省の弁しか出てこないのが共通した思いではないでしょうか。
それでも、祝福家庭として、神様の太初の願いを地上に実体化していくことは、私たちの宿命であり、常に挑戦しなければならないゴールです。
「第三に、皆さんは、氏族的メシヤの祝福を受けたので、この地に天一国が完成するときまで、その使命と責任を果たさなければなりません」
今は全祝福家庭が精誠を立てて「天寶」勝利を目指していますが、その本質は神氏族メシヤの勝利です。真の父母様の勝利圏を子女として相続する道は、神氏族メシヤの勝利しかありません。真の父母様が生涯をかけて私たちに指導してくださった内容であり、真のお父様の、私たちの勝利を願っての遺言でもありました。
真のお母様は、全祝福家庭が神氏族メシヤを目指すゴールとして、天寶登載を掲げ、その勝利に向けて天寶修行の道を示してくださいました。祝福家庭として避けて通ることのできない修行の道です。
「第四に、私たち全員は、真の父母様と真の家庭を中心として、和合と統一の心情文化共同体を築いていかなければなりません」
天一国は、天の父母様と真の父母様を中心とした心情文化の花咲く共同体です。父母を中心とした、兄弟姉妹の心情文化は、対立と闘争を包摂して、和合と統一をもたらします。なぜなら、父母の心情と願いに応えて生きたいと欲するのが、子女の本性だからです。
今、人類の真の父母様と共に摂理に同参できる奇跡の時代、すなわち摂理的転換期に生きています。私たちは、神様を中心とした人類の救援摂理歴史の最先端に立ち、真の父母様と同じ摂理の風景を見ているのです。単なる摂理歴史の目撃者となって終わるのか、摂理の主人として立ち、人類の真の父母様の愛と勝利の足跡を証言する者となるのか、私たち自身の選択にかかっています。