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七月二十八日、東京都新宿区の会場に天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸会長夫妻を迎えて、「神日本第一地区責任者特別集会」が行われました。方大陸会長は、真のお母様と韓国の天正宮博物館で対話した内容を証しながら、二世の復帰に取り組むことを訴えました。ここでは、そのメッセージと、藤之原和代・大陸会長夫人が挨拶の中で語った内容を紹介します。(文責・編集部)
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真のお父様の天宙聖和九周年に向けて精誠を尽くされる真のお母様
第一地区の公職者の皆さん、こんにちは。梅雨が明けて、毎日、暑い日が続いていますが、体調を崩すことなく、元気に過ごされていますか?
真のお母様は、毎朝、早くに起きられて、天の摂理成就のために全力を投入しておられます。
昨日の夜、全世界の大陸会長、天議苑苑長、UPF議長がインターネットで結ばれ、尹煐鎬・世界本部本部長を中心にオンライン会議を行いました。その場で、尹煐鎬本部長と鄭元周・総裁秘書室長が、真のお父様の天宙聖和九周年に向けて歩まれる真のお母様のごようすを伝えてくれました。お母様は、天に対する絶対信仰、絶対愛、絶対服従をもって、ただひたすら、精誠条件を立てる日々を送っておられるということでした。
最近は、真のお母様のお姿を映像で拝見することしかできないので、皆さんの中には、お母様のお体のことを心配している方もいるのではないでしょうか。お母様はとてもお元気なので、ご安心ください。お母様は毎日、早朝から散歩をして天苑宮の建設現場を訪れ、進捗状況を確認しておられます。時には、「二〇二三年に必ず完成しないとね」と念を押されるそうです。その場に同行する人は、「お母様は、天の父母様(神様)を証すために、ここまで精誠条件を立てられるのだ……」と感嘆し、そのお姿が目に焼きつくということでした。
八月二十四日(天暦7月17日)に真のお父様の天宙聖和九周年を迎えます。また、その約五十日後の十月十日には天寶祝祭が行われます。その間、約二十の大会が開催される予定です。ですから、だいたい二日に一回、大会があるということです。それらの準備は簡単なことではありません。プログラムを組むだけでも何日もかかるそうです。
一連の大会で、実務の責任は尹煐鎬本部長が担いますが、一人で全て負い切ることはできないでしょう。最終的には、真のお母様が責任を持たれるのです。お母様は現場の各責任者に対して、「これはこうしなさい」と細かく指示を出されるといいます。皆さん、女性は男性よりも繊細な感覚を持っているでしょう? お母様は真のお父様の願いを感じ取り、豊かな感性を発揮しながら、一つ一つ準備されているのです。
二世たちを通して、与えても、もっと与えたくなる心情を体験する
新型コロナウイルスの感染拡大は、とどまることを知りません。全世界に暗いニュースが流れる中で、東京オリンピックが開催されています。今、世界各国に明るいニュースを発信できるのは、東京しかないでしょう。
どこの国でも、自国の選手がメダルを獲得したら、大きく報道されます。日本は、開催されてからメダルラッシュが続いているので、連日、朝から晩までオリンピックのニュースで持ち切りです。皆さんも、日本人選手の活躍に胸が躍っていることと思います。
一九八八年、韓国・ソウルでオリンピックが開催されたとき、真のお父様は、世界中から集まってきた選手たちに、一和のメッコールをたくさん贈りました。たとえ市販用のメッコールが足りなくなったとしても、オリンピック選手に飲ませてあげなさいとおっしゃり、その期間、工場をフル稼働させてメッコールを生産したのです。お父様はそのように、オリンピック選手を自らの子女として愛情を尽くされました。
少し前の話になりますが、五月十五日に真の父母様のご聖婚を記念する行事が全て終わり、二日間、スケジュールが空いたことがありました。私はそのとき、訪韓していて、行事を通して多くの恩恵を受けていました。そのため、その恵みを誰かと分かち合いたい、目にしてきた内容を伝えたいという思いがあふれていたのです。
そこで、竹内啓晃・大陸副会長に、韓国にいる日本の二世たち、善正中高等学校の留学生たちが、どのように過ごしているのか聞いてみました。すると、新型コロナの影響で、寄宿舎に缶詰め状態になっているということでした。
私は、外出を自粛せざるをえない二世たちに恩恵を分かち合おうと思い、初めにUPAの士官学生のもとを訪れました。士官学生の多くは日本の二世です。彼らと接しているうちに、私も元気をもらいました。彼らを見た瞬間、真のお母様がなぜ、二世たちをピュア・ウォーター、ダイヤモンド、宝物などと、その価値を何度も強調してお話しされるのかよく分かりました。彼らの輝きはやはり、家庭連合の未来の希望そのものだと感じたのです。
その翌日、善正中高等学校の寄宿舎である「世界兄弟学生苑」を訪れました。私は、留学生たちとじゃんけんゲームをして、勝ち残った留学生にお小遣いをあげました。それは、真のお母様をお迎えして行われたカラオケ大会の賞金でした。持っていたお金を全部あげたのですが、もっとあげたいという気持ちが湧いてきてどうしようもなく、同行していた竹内大陸副会長や鄭泰奭・台湾特別地区会長にもお願いして、留学生にあげました。
次に訪れた鮮文大学の寄宿舎でも、同じようにして、他の指導者たちにお願いして、お小遣いをあげました。
私は、二世たちと接することを通して、与えて、持っているものが全てなくなってしまったとしても、もっと与えたいという気持ちが真の父母様の心情なのだと実感することができたのです。
「私は二世です」と切り出し、
お母様と心が通じ合った体験
その翌々日、真のお母様に呼ばれて、李成萬・日本家庭連合副会長と二人で天正宮博物館に伺いました。
真のお母様にお目にかかると、「報告したいことがあるでしょう。話してごらんなさい」とおっしゃいました。私はすかさず、「お母様、私は二世です」と切り出しました。お母様は唐突な話に驚かれ、「えっ、あなたは二世だったかしら」と確認されました。
私は、真のお母様を慕う気持ちを込めて、次のようにお答えしました。
「真の父母様が聖婚されたのは一九六〇年です。ですから、一九六〇年以降に生まれた子供たちは、皆、二世だと言えないでしょうか。天の血統を受け継いで生まれた祝福二世は、もちろん二世です。しかし、真の父母様は全人類を救うために来られた方ですから、ご聖婚以降に生まれた者は、二世としてもよいのではないでしょうか。ですから、私は二世なのです」とお伝えしました。
すると、真のお母様は「あー。そういうことなのね。分かったよ。あなたはうちの譽進(1960年天暦12月11日生まれ)と同い年だね」とおっしゃったのです。続けて、「私は譽進様より数か月前に生まれました。ですから、私がお兄さんです」と冗談を交えると、お母様はにっこりと笑われました。
その後、UPA、善正中高等学校、鮮文大学の学生たちを訪ねたことをご報告し、「今回の大会で受けた恩恵を全て分かち合ってきました。本当にうれしかったです」とお伝えしました。
皆さん、真のお母様が大会を主宰されるときは、その規模にかかわらず、緊張からか、いつも固い表情をしていらっしゃると思いませんか。お母様の満面の笑顔は、大会ではなかなか見ることが難しいと思います。しかし、私がその報告をしたときのお顔は、「私の本当のお母さんだ!」と、心が完全に開放され、自然と通じていくような柔らかい表情だったのです。
そのとき、真のお母様は、「これからは二世の闘いです。二世を大事にしなさい!」とおっしゃいました。私は、「日本で生まれた二世も多くなりましたが、教会に来られていない二世もたくさんいます。本当に申し訳ありません」と胸につかえている思いを吐き出しました。そして、「これから、天の父母様と真の父母様の子女である二世たちを、皆、捜し出して、真のお母様に喜んでいただけるようにします」と宣言したのです。
真のお母様は、「そうです。絶対に、二世たちを取り戻しなさい」と激励してくださった後、「日本の二世の中に、こういう名前の者がいるでしょう?」とお尋ねになりました。私が知らないとお伝えすると、李成萬副会長に「あなたも知らないの?」と確認されました。結局、私たちは分からないままだったので、お母様は、「私も覚えているのに、あなたたちが知らないとは……」と残念がられました。
私は、二世の一人一人に関心を持っていらっしゃる真のお母様に驚き、感謝の思いをさらに深めました。
二世教育について、
相談を受けることが増える
ここには、第一地区の食口を代表して、牧会者、婦人代表、成和部長、伝道部長、家庭部長など、教会の運営に責任を持つ方々がいます。皆さんも、子女教育について、所属教会の食口たちから、さまざまな相談を受けているのではないでしょうか。不思議なことですが、最近、私も二世のことで相談されることが増えました。中でも、韓国人の牧会者からの相談が多いです。
牧会者たちは涙ながらに、率直に話してくれます。
「私の子供はこういう状況です。わが子さえ教育することができない私は、牧会者の資格がありません」
「もうこれ以上、私は食口の前で『教会に来られていない二世を訪ねましょう』『祝福に導きましょう』などと言って、引っ張っていく自信がありません」
私は、「あなたの家庭だけじゃないんだよ。あなたが言うように、わが子を守ることができなかった牧会者は、やめなければならないとすれば、多くの牧会者が下りないといけないかもしれない」と慰めました。
「真の家庭を築きましょう!」と声高に叫び、真の家庭づくり運動を推進しながら、私たちの家庭が、天の父母様と真の父母様の愛を中心とした、幸福な家庭になっていないとすれば、心の底から運動の素晴らしさを証すことができるでしょうか。今からでも決して遅くありません。万が一、子供が一般結婚をしていたとしても、天の前に取り戻す道は必ずあります。
二世たちは、天の血統を受け継いだ神様の子供です。真の父母様の子供です。彼らが今、どのような状況にあったとしても、決して諦めてはいけません。天から見たときに、彼らが貴い宝物であることは、一切、変わらないのです。
基台を組み、食口たちが協力して
互いの子女たちを守る
私は定期的に地区会長たちと会議をしますが、大抵は、各地区の報告がひととおり済めば終わります。それほど時間はかかりません。しかし、「二世をどのように教会に導くことができるか、思う存分に話し合いましょう」と言って始まったその日は、午前では終わらず、夕方まで、一日中、話し合いました。
そして、地区会長たちから、「大陸会長が、地区別に巡回しながら、二世の復帰に対する真の父母様の心情をそのまま伝えてほしい」と要請を受けて、全国を巡回することになりました。
皆さんも、一人、二人、三人と、お子さんがいると思います。親の話は聞いてくれますか。聞かない子のほうが多いでしょう。しかし、友達の話なら聞くという子はいます。不思議なことですが、親の話を全く聞かない子が、隣の家のおばあさんの話には素直に耳を傾けるということがあるのです。
だからこそ、家庭だけで悩みを抱えていてはいけません。それでは、いつまでたっても解決の道が見えません。基台を組んで、食口たちがお互いに協力して二世たちを守るのです。今は、そのような時代が来ています。
何度も話していることなので、皆さんもご存じかと思いますが、もう一度、この場でお願いしたいことがあります。牧会者と婦人代表は、一週間に一回、教会に来ていない二世を訪問しましょう。成和部長、伝道部長、家庭部長は、毎日、必ず一人に会いましょう。そしてわが子に愛情を注ぐのと同じように、心情を投入してあげてください。
家には来ないでほしいと言われたら、コーヒーショップで面談をしてもいいでしょう。一緒にラーメンを食べにいってもかまいません。とにかく、二世たちの悩みをとことん聞いてあげてください。
教会を嫌がる二世たちに理由を聞いてみると、多くの二世が、「教会は面白くないから行きたくない」と答えます。それなら、彼らが何をしてあげれば喜ぶのか、徹底的に調べて、それを実行してください。二世たちのために教会を使いたい、イベントのために予算が必要だというのであれば、牧会者や婦人代表に相談してください。きっとかなえてくれるでしょう。
天寶勝利家庭になるために、新規対象者のケア、氏族への奉仕など、皆さんがやるべきことが山積みなのは重々承知しています。しかし、天寶勝利家庭の恩恵圏にわが子が入っていないとしたら、どれほど心が痛いでしょうか。真のお母様の願いがどこにあるのか、各自が祈り、求めてくださるようお願いします。
真のお母様は今、私たちの先頭に立って第二次七年路程を歩んでおられます。七年後には八十五歳になられるお母様に、「第二次七年路程を勝利できなかったので、第三次七年路程も、私たちを引っ張って歩んでください」とお願いできるでしょうか。
家族に八十五歳のおばあさんがいたとしたら、家でゆっくり休んでもらうようにするでしょう。真のお母様は、人類の母として、世界中のありとあらゆる課題を抱えながら歩んでこられたのです。お体がどれほど疲れているでしょうか。痛むでしょうか。お母様に休んでいただけるように、私たちはこの一年を、本当に一千年のようにして全力投入しなければなりません。
来年の天宙聖和十周年には
式典の形式が大きく変化する
二〇二二年には、真のお父様の天宙聖和十周年を迎えます。尹煐鎬本部長によると、今年の聖和九周年をもって、蘇生期、長成期、完成期の三段階が終わるということです。帰一数である十段階目、その十周年の聖和式は、式典の形式が、がらりと変わるだろうと言われています。具体的にどのようになるかは、真のお母様がまだ明かされていないということですが、変化するということだけは言明されています。お父様が霊界に行かれたということが悲しいことではなく、素晴らしいことなのだと、もっと盛大に、お父様の偉業を賞賛し、証しするときが来るのだと思います。
真の父母様のご聖婚六十一周年の「天一国敬拝記念式」でも、式典に臨む服装や供え物の種類などに変化がありました。人間で言えば還暦に当たる六十数を超えて、新しい時代が到来したことを感じさせられるものでした。
真の父母様のご聖婚を、家庭連合という、一宗教団体の教祖としてお祝いするときではありません。今は、天の父母様が地上に臨在される時代を迎えました。全世界の宗教指導者が韓国を訪れ、真のお母様に敬拝をお捧げすべき時です。ですから、敬礼式は天正宮博物館ではなく、清心平和ワールドセンターで行われました。そして、韓国の代表的な宗教指導者二人が参加し、お母様に敬拝をお捧げしたのです。
三世の時代がそこまで来ている
このように時代は確実に変化しています。そのときに、最も変わらなければならないのが、私たち食口です。一世から二世、二世から三世へと、天の伝統を受け継いでいかなければなりません。
先ほど、私が真のお母様の前で「私は二世です」とお伝えしたことを話しましたが、お母様は、天の父母様聖会の神日本大陸会長として立った私と、大陸副会長として立った竹内さんを祝福し、それぞれを二世圏、三世圏の代表として位置づけてくださいました。お母様は、一世から二世、二世から三世へと、天の愛と心情が、水が流れるように伝わっていくことを願っておられます。
二〇二〇年の二月、真のお母様は、文信出様、文信興様を祝福されました。信出様の相対者は韓日家庭のお子様で、信興様の相対者は日日家庭のお子様です。お二人共、日本にルーツを持つお方です。ですから、日本は多くの恵みを受けたことになります。
三世の時代がそこまで来ています。世の中に真の父母様の価値を証しし、お孫様を支えてみ旨を推進することができる二世たちが全国各地にいます。今こそ、この二世たちを私たちがしっかり守っていきましょう。
目を閉じると、すぐに真のお母様が
現れ、啓示を与えてくださる
佐野邦雄・天一国特別巡回師によると、千葉中央修練所でみ言を学んだ人は、これまでで五十万人から六十万人ほどになるといいます。彼らの多くは、修練会に参加していた当時、若者でした。しかし、そのほとんどが教会から距離を置いています。皆さんの身近にも、若い頃に共に歩んだけれど、今は教会につながっていないという人がいるのではないでしょうか。
最近、山口を巡回したときのことです。二十年間、教会に来ていなかった婦人が、真のお母様の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』を一晩で一気に読んで、自ら教会に訪ねてきたという証しを聞きました。
その婦人は、「真のお母様は、こんなにも素晴らしい歩みをされているのに、今まで、私は一体、何をしていたのだろう。本当に悔しい」と話したそうです。そのとき、婦人代表が、二十年間で行われた世界摂理の内容を説明すると、「ああ、分かりました。もう、負債を残したくないので、明日、感謝献金を捧げます」と言って、実際に翌日、世界摂理に貢献したのです。
私は最近、何か不思議な、温かい風を感じています。これまでは一年に一度、真のお父様か真のお母様の夢を見るかどうかでした。しかし、今は目を閉じると、すぐに夢の中にお母様のお姿が現れます。そして、たくさんの啓示が下りてくるのです。やはり、私に何か悟らせたい内容があるのだと思います。
その一つとして、私はまず、二世をしっかりつかまなければならないと感じ、このように全国で二世の復帰について訴えています。
地区会長をはじめ、教会の指導者の皆さんは、どれだけの熱量を持って、そのことを食口たちに訴えていますか。課題は膨大なので、皆さんと心情を一つにしていかないと、現状を打開することはできません。二世・三世が先頭に立っていくべきこの時代、一人の二世も漏れることがないように、精いっぱい投入していきましょう。私は、皆さんと力を合わせれば、二世が全員、教会に帰ってくるという自信があります。
み言によって人が生まれ変わることを確信し、二世に投入しましょう
日本の二世たちは、とても純粋です。千葉中央修練所で行われている孝情天寶二十一日修錬会に参加した二世たちが、み言を学んで大きく心情転換された証しを、皆さんも聞いたでしょう。自分が二世であることを知らなかった子女が、み言に感動して、その家庭の兄弟姉妹を導く決意をしたり、同じように教会と疎遠になっている二世を教会に導く決意をしたりしています。
皆さん、み言は神様のものであり、人を生み変える力があることを確信しましょう。天が愛してやまない、純粋な心を持った二世たちは、偉大なみ言に触れる環境が与えられれば、必ず、み言に感動し、教会に帰ってきます。真の父母様に孝情をお捧げし、み旨の前に立ち上がることができるのです。
聖和九周年を迎える前に、二世を導く大きなうねりをつくっていきましょう。きょうの集会で感じ取った内容を、教区、教会でしっかりと伝えてください。私たちの教会には希望があることを決して忘れず、力を合わせて頑張ってまいりましょう。