伝道こそ、私たちが生きる道

六月一日、千葉・浦安の一心特別教育院で「神日本家庭連合全国責任者特別集会」が行われ、天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸総会長がメッセージを語りました。方相逸・大陸総会長は、伝道に関する真のお母様のみ言や、天心苑祈祷の恩恵によって伝道が進む韓国の証しを紹介したうえで、「神統一世界安着のための二〇二三神日本二百十日伝道路程に総力を挙げて臨みましょう」と呼びかけました。(文責・編集部)

伝道勝利のため、組織改編を
願われた真のお母様

 皆さん、こんにちは。真の父母様を慕い、現場で日々、食口たちを守ってくださる牧会者、女性部長の皆さんに、心から感謝申し上げます。
 私は四月三十日に訪韓し、真のお母様のご聖誕八十周年を祝賀する一連の行事に参加しました。五月十、十一日には、お母様から呼ばれて天正宮博物館に伺い、み言を頂いて十四日に帰国しました。ところが、十六日早朝に電話があり、始発便で韓国に来るように願われたのです。
 真のお母様がお呼びになるときは、いつも二、三時間で用件は終わり、すぐに帰るように促されます。今回も、そうなるだろうと思い、かばんにはノートパソコンだけを入れて出掛けました。しかし、滞在は十日間になったのです。
 アジア太平洋大陸2の堀正一・大陸会長と共に天正宮博物館に到着すると、韓国の責任者も集まっており、真のお母様は二時間ほどみ言を語られました。その要点を五つにまとめてお伝えします。
 第一は、組織改編です。天正宮博物館にあった世界本部がなくなり、世界平和統一家庭連合と天宙平和連合(UPF)の二元体制で摂理を展開していくことになりました。これまで、鄭元周室長が統括してきた総裁秘書室は、第一、第二秘書室に分かれます。第一秘書室は、文姸娥様が室長になり、主に韓国と日本の支援に責任を持たれます。申東謀氏(前UPF南米議長)が副室長を務めて英語圏を担当し、ソン・ヒョニョク氏が、アジアとアフリカを受け持ちます。
 第二は、伝道です。真のお母様は組織改編の理由について、全ての機関の、全ての指導者が伝道に向かうためだと説明し、「私たちが生きる道は伝道しかありません。新しい体制で国家の復帰のための本格的な闘いが始まるのです」と訴えられました。
 また、真のお母様が私に日本の人口をお尋ねになったので、「一億二千五百万人です」とお答えすると、「六千万人を伝道しなさい」とおっしゃり、その基盤があれば、日本の問題は全て解決できると強調されました。私は、〝寝ても覚めても伝道〟という意識を、さらに強くしました。
 第三は、天心苑祈祷です。真のお母様は、「最も大きな力を持つのが祈りである」として、真のお父様は、祈りによって基盤を築かれたと証しされました。そして、「天の摂理の中心は天心苑です」と語られたのです。私たちが、天心苑で一生懸命に祈れば、天の父母様(神様)とお父様が現れ、天使天軍、絶対善霊が全面的に協助してくれるのです。
 第四は、教育です。真の父母様の生涯路程の教育を、これまで以上に重視していきます。真のお母様は、天の父母様、イエス様、真のお父様がいかなるお方か、その本質を人々に伝えなければならないと訴え、真の父母様の自叙伝を、もっと活用すべきだと語られました。
 第五は、天苑宮・天一聖殿の奉献です。真のお母様は奉献式で、二〇二四年に入宮式をすると宣布されました。しかし、天の願われる基準に仕上げるには、一年では足りないため、改めて、二〇二五年に入宮式を行うと発表されたのです。今年の五月五日に全てを成し遂げたかったにもかかわらず、さまざまな事情から延期せざるをえないお母様のご心情を思うと、私はつらくて、お母様に合わせる顔がありませんでした。
 天の父母様の使命は、地上にメシヤ、人類の真の父母を送ることであり、真の父母様の使命は、堕落した人間を救うことです。祝福を通してサタンの血統から神の血統に転換するのです。そして、祝福の恩恵を全人類に拡大して、平和世界、理想世界をつくり、地上に天の父母様をお迎えするのです。その臨在される場所が、天苑宮・天一聖殿なのです。

苦労する日本の兄弟姉妹を心配し、
力を与えたいと願われる真の父母様

 五月十六日、み言を受け、日本の現状をご報告したあと、「明日の朝に帰ります」とお伝えすると、真のお母様は、「なぜ、そんなに早く帰るの? HJクルーズの乗船式(18日)に参加してから帰りなさい」と、お引き止めになりました。
 乗船式の日は、真のお母様とご一緒に客船に乗り、孝情宴で昼食を頂くなど、楽しい時を過ごしました。私は恵みに感謝し、辞去しようとしました。しかし、お母様が帰国の延期を願われ、「天心苑で徹夜祈祷会に参加して、精誠を尽くしなさい。それから、釜山まで一緒に行こう」と言われるのです。着替えを持たずに来ていることも姸娥様から聞いておられ、富興(ブフン)百貨店でそろえられるよう配慮してくださいました。
 二十二日の朝、釜山に向かって出発しました。韓国の責任者たちも、会長団をはじめ二十人ほどいましたが、私と堀大陸会長だけ真のお母様の車に同乗しました。この二人が、いちばんかわいそうな顔をしていたのかもしれません(笑い)。私が日本の食口を代表して来ているので、お母様は、苦労する日本の責任者や食口たちを愛したいというお気持ちで、そのようにされたのだと思います。
 二十三日に釜山で「母臨節」の特別集会を終え、二十四日の朝、真のお母様が私と堀大陸会長を朝食に呼ばれました。その日、お母様は私たちを富興百貨店に連れていき、今、着ているこのスーツを買ってくださったのです。
 私は、皆さんを代表して愛されました。今もなお、日本家庭連合は、あらゆる方面から打たれています。そのことを毎日、報告で聞かれる真のお母様は、日本の兄弟姉妹のことを心配し、何とかして力を与えたいと思われているのです。

 ビジョン二〇二七は、神統一韓国、神統一世界を成した土台の上で、第六十回「天の父母様の日」を迎えるために掲げられています。二〇二七年まで、あと四年しか残されていません。
 真のお母様は、天苑宮・天一聖殿が完成し、入宮式がなされたら、全世界から人々が押し寄せると語られました。皆さんは、お母様が聖殿の建造を打ち出されたとき、どのように思いましたか? 〝天正宮博物館があるのに、また、別の建物を造るのですか?〟と思った人もいるでしょう。
 天苑宮は、天正宮博物館の二・五倍の大きさです。私は一部を見学しただけですが、本当に圧倒されました。内装まで完璧に仕上がれば、〝一般の観光客が、入り口から出口に至るまでに食口になっている〟という真のお母様の願いが、現実になると思います。
 真のお母様が特にこだわられたのが、螺鈿の聖画です。それは、高さが七メートル半、横幅が四メートルで、全体を見ようと思ったら、十メートルほど後ろに下がらなければなりません。その聖画が十四枚。制作に七年かかり、請け負った螺鈿工芸の名人たちは、作品を前にして、「人生で、これほど大きなものは最初で最後だ」と言い、弟子たちと共に深く感動していたそうです。
 世界には、サン・ピエトロ大聖堂(バチカン市国)のような、歴史的に貴重な建造物が数多くあります。しかし、どんなに素晴らしくても、そこには真の父母様が表されていません。全世界に点在する聖殿を全て合わせたとしても、天一聖殿と比べることはできないのです。
 真の父母様のご在世時に自らの手で造られた天正宮博物館や天苑宮・天一聖殿は、唯一無二であり、その価値は計り知れません。真のお母様は、「天苑宮・天一聖殿によって天の摂理は完成し、人類歴史が完成します」と語られています。

お母様が第二教主として摂理を
進められるよう準備されたお父様

 真のお父様によって霊界は整理され、真のお母様によって地上の基盤は整えられました。今後は、天使天軍、絶対善霊による、天上、地上の総合的役事が始まります。そのため、お母様は、これまでの組織では不十分だと考え、組織改編を願われたのです。
 このことに異論を唱える人も、中にはいるかもしれません。
 一九九〇年以降、真のお父様は事あるごとに真のお母様のことを証しされました。一九九一年六月には、カナダのクレアストーンに日本の責任者と女性代表四人が集められ、「顧命性宣誓宣布」が行われました。「顧命」とは「王の遺言」を意味する言葉です。お父様は、ご自身が聖和しても、お母様が第二教主として摂理を完成できるように、日本の責任者が一つになることを願われました。
 一九九二年四月十日、真のお母様は世界平和女性連合の総裁として立たれ、真のお父様の代わりに世界各地で大会を開きながら、女性の解放を宣布されました。そして、一九九九年六月十四日、「真の父母様天宙勝利祝賀宣布」の式典で、お父様がお母様に表彰牌を授与されたのです。お父様は、お母様が摂理を進めやすいように十年をかけて準備されたのです。

天心苑祈祷の恩恵、霊界の協助によって礼拝の参加者が増加する

 今後、地区会長、教区長という立場はなくなります。真のお母様は、実力のある者こそ、現場で伝道に励むべきだと考えておられます。牧会者たちは皆、一斉にスタートラインに並び、ヨーイドンで走り出すのです。その参考となる証しをいくつか紹介します。
 天心苑の李基誠苑長が、今、修錬苑の近くにある加平家庭教会で教会長を務めています。真のお母様が李基誠苑長に、「あなたは祈りを通して天の役事を受けることができるので、現場でその手本を示してあげてください」とおっしゃり、教会長に任命されたそうです。
 新型コロナのため、この教会では三年間、礼拝参加者が十人前後だったそうですが、就任後三か月で百三十人になりました。十三倍です。
 また、私が徹夜祈祷会に参加したとき、清平家庭教会の韓ヂヨル教会長が証しをしました。彼は日本人でしたが、韓国に帰化し、韓氏を名乗っています。
 赴任当時、教会の食口は約五十人だったそうです。食口たちを復興させるため、天心苑の徹夜祈祷会への参加を呼びかけると、五人が参加しました。参加すると恵みを受けるので、五人が六人、六人が七人、七人が十人、十人が二十人、二十人が三十人、三十人が四十人というように参加者は増えていったそうです。そして一年後、礼拝の参加者は二百人になりました。田舎の教会です。それでも、それだけの規模の礼拝を行っているのです。教会長は、今も毎日、希望者と共に徹夜祈祷会に参加しています。
 キリスト教会の元牧師、チェ・チョンパルさんの証しも徹夜祈祷会で聞きました。彼は、加平家庭教会の所属です。
 彼が牧師だったときのことです。ある日、眠っていると、「金ソクチンを探しなさい」と啓示が降りたそうです。朝、目が覚めるとすぐに、その人物が誰なのかコンピューターで検索し、鮮文大学教授と出てきました。〝これは、異端の統一教会だ!〟と、緊張が走ったそうです。しかし、霊界からの啓示を無視することはできません。彼は鮮文大学に電話し、教授との面会を申し出ました。
 面会の日、教授が家庭連合の教会長も兼ねていることを聞いて、さらに警戒心が高まります。それでも、啓示には何か深い意味があるに違いないと思い、青坡洞にある天苑社(書店)に寄って、店員に家庭連合のメインの書籍が何かを尋ね、『原理講論』を買いました。毎日、真剣に読み進め、深く感動した彼は、天一国経典『天聖経』、『平和経』などを次々に購入して読破。キリスト教会から家庭連合に移る覚悟を決めたのです。
 私は、彼の証しを聞きながら涙が流れました。真のお父様が興南の収容所にいらっしゃるとき、霊界からの啓示によって十二人が伝道されました。そのような時代が、確かに到来しているのだと思ったのです。
 真のお母様は、このような証しを報告で聞き、今の時にふさわしい体制になることを願われています。
 韓国は、伝道の推進とともに、南北統一に向けた取り組みを加速させなければならないとし、これまで南北統一運動国民連合の責任者を務めてきた宋光奭氏が、韓国家庭連合の会長として立ち、真のお母様は、次のように語られました。
 「この人は十年間、ピースロードをはじめ、南北統一のために誰よりも頑張ってきました。南北統一に向けて、最も運勢がある人なので、立ったのです」
 そして、日本で全国祝福家庭総連合会の総会長を務めた宋龍天氏が、世界会長に就任しました。ヨーロッパのシェンゲン協定の問題を解決し、総会長のときには、統一教会から家庭連合への名称変更が成されるなど、運勢があることを、就任の理由に挙げられました。
 また、伝道推進のため、米国で大陸会長を務めていた龍鄭植氏が韓国に戻り、教会長として出発しています。それに伴い、アジア太平洋大陸1のデミアン・ダンクリー大陸会長が、米国の総会長を務め、堀大陸会長が、アジア太平洋大陸全体に責任を持つことになりました。特にオセアニアは面積が広く、女性のVIPが多いので、堀守子夫人がアジア太平洋大陸の副会長に就任し、オセアニアに責任を持つようになりました。

全てのスタッフが、「私は伝道師である」という意識を持って歩む

 日本では、五月二十六日の責任役員会で、伝道推進のため、教会中心の組織への改編が決定しました。これまで地区会長や教区長を務めていた牧会者も、一人の教会長として開拓精神をもって歩みます。教区は「エリア」として従来の形が残りますが、大教会長(教区本部が置かれていた教会の教会長)は、他の教会長に指示する立場ではありません。協力態勢の中心者であるという意識で歩んでください。
 「一に伝道、二に伝道、三に伝道」です。これからは伝道部長だけが、伝道の責任者ではありません。牧会者、女性部長をはじめ、全てのスタッフが、「私は伝道師である」という意識を持ってください。真のお母様は、「伝道で頑張った人を表彰したい」と語られました。このように言明されたことは、これまでになかったのではないでしょうか。
 母臨節の特別集会(5月23日)で、フィリピン人宣教師で天寶家庭のウィニー・カイメさん(3万双、東蔚山家庭教会所属)が証しを行いました。
 彼女は、これまでに約八十人を伝道したそうです。今年四月から毎月一回、信仰の子女や伝道対象者などを教会に集めて礼拝を捧げています。その数が五百人です。真のお母様は、この証しを聞いて大変驚かれ、その場にいる責任者たちに向かって、どうして同じようにできないのですかと叱咤激励されました。
 なぜ、真のお母様が、徹夜祈祷会に参加するよう願われたのか、私を釜山まで連れていかれたのか、その理由がはっきり分かりました。天心苑祈祷の恩恵を伝えるためであり、伝道の運勢の到来を悟らせるためです。
 徹夜祈祷会では、「み旨の応援歌」を日本語で歌い、日本のために祈っています。天心苑だけではありません。全世界の責任者や祝福家庭、食口たちが日本に思いをはせながら祈ってくれています。私たちは、自分たちだけで頑張っているように思ってしまいますが、全世界から天に捧げられた祈りによって、困難を乗り越えてくることができたのです。
 真のお母様は祈りの力について、このように語られました。
 「キリスト教会は、使徒たちから出発しました。皆さんはパウロを知っているでしょう。パウロはもともとキリスト教徒を捕まえるために走っていた人です。しかし、霊界から啓示を受けて、キリスト教の伝道師になりました。
 日本も大変なときだからこそ、天心苑で熱心に祈ってください。啓示が降りて、家庭連合を攻撃してきた人が急に変わります。天の声は、使徒パウロだけが聞くのですか? そうではありません」
 天一聖殿の奉献式で、真のお母様は、「あまりにも申し訳なく、恐縮する心を禁ずるすべがございません」と祈られました。そこには、天一国の民が少なく、国を挙げて奉献式を挙行できなかったことへの無念の思いもあったのではないでしょうか。お母様は、伝道十倍化のための霊的基盤はすでに整い、あとは地上で実践すれば結果が出ることを確信しているからこそ、もどかしい思いを抱えておられるのです。
 真のお母様は、『原理講論』の創造原理が大事であると強調し、内容をよく整理して、真のお父様、お母様が一体誰なのかを伝えるよう訴えられました。そして、祈りと『原理講論』、お父様の自叙伝とお母様の自叙伝、この四つがあれば伝道は進むと語られました。

二世たちの教育プログラムについて
真のお母様にお伝えする

 真のお母様とお話をさせていただく中で、日本の二世のことが話題に上りました。職業に就けていない二世たちも多くいることをご報告し、彼らを南米・レダに送り、活躍してもらう計画をお伝えしたのです。お母様はとても喜ばれ、「それはいいアイデアだね。やってみなさい」と後押ししてくださいました。
 真のお母様が「二世は教会の未来であり、ビジョンです」と語られるように、二世教育は、ますます重要になります。
 私は、全国巡回の際に必ず青年集会も行ってきました。その場で、真のお母様にお会いしたことがあるかと尋ねると、大抵は、意欲的に前のほうに座っている人ばかりが手を挙げ、後ろのほうは、ぱらぱらとしか挙がりません。
 真のお母様に直接、お目にかかったことがあるのと、ないのとでは、み旨に向かう姿勢に大きな差が生まれるでしょう。それで、「今度の夏休みに、多くの二世を清平に連れていくので、会っていただけないでしょうか」と、お母様にお願いすると、「たくさん連れてきなさい」と了承してくださいました。
 二世たちの訪韓プログラムが整ったら、現場からたくさん送ってください。飛行機代は高く、子供を二、三人送るとなると家計が大変でしょうから、本部で飛行機代の補助も検討します。二世一人一人の生命を守るために投入していきましょう。そして、教会から足が遠のいている二世や祝福家庭の尋訪にも継続して力を入れていきましょう。
 最後にもう一度、真のお母様の伝道に対する思いをお伝えします。
 真のお母様は、ただ天だけを見詰めて伝道に向かった草創期のように、何よりも伝道を優先させることを願われています。そして、たった十年間で大帝国を築いたアレクサンドロス大王を引き合いに出して、このように語られました。
 「あなたたちは、天の父母様と真の父母様と一緒にいるのに、なぜ、世界を一つにすることができないのですか? アレクサンドロス大王は、馬に乗って世界を巡りました。皆さんは、馬ではないでしょう。もっと速く走る乗り物に乗ることができます。これ以上、天を待たせないでください」
 きょうから始まる、「神統一世界安着のための二〇二三神日本二百十日伝道路程」に総力を挙げて臨みましょう。全ての責任者は、自らが伝道部長だと考えてください。真のお母様の前に最高の実績を立ててご報告できるように、この二百十日に、二年分、三年分以上の力を出して頑張ってまいりましょう!

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