生涯変わらない志を持つ者になろう!

 四月三日、福井家庭教会(福井教区)に天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸会長夫妻を迎えて、「福井教区二世圏特別集会」が行われました。激励のメッセージに立った方相逸・大陸会長は、祖国の独立運動に命を捧げた人物たちを紹介しながら、参加した青年たちに、天一国を実体化する天の孝行息子、孝行娘になってほしいと訴えました。ここでは、その内容と藤之原和代・大陸会長夫人の挨拶をお届けします。(文責・編集部)

 きょうは、歓声を上げて私たち夫婦を迎えてくれた、皆さんの元気いっぱいな姿に圧倒されました。
 人や物は、明るい所に集まります。皆さんは、暗く沈んだ顔をしている人のところに行きたいですか? できるなら、笑顔があふれる人の隣で過ごしたいのではないでしょうか。皆さんはきらきら輝いています。その魅力に引かれて、たくさんの若者が、この教会に集ってくるのは間違いありません。

二人の幼い子供を置いて、
国の独立を求めた義士

 私は、ここに来る前に石川教区を巡回しました。金沢市には朝鮮の独立運動家、尹奉吉義士の慰霊碑があります。そこを訪問し、祈りを捧げてきました。
 この方は二十三歳のとき、中国・上海で大韓民国臨時政府を率いていた金九先生の指示を受け、日本の上海派遣軍司令官ら要人を爆弾で攻撃しました(上海天長節爆弾事件)。その場で取り押さえられ、軍法会議で裁かれて死刑判決を受けました。大阪に送致後、金沢で留置されて銃殺刑に処されています。
 尹奉吉義士には、幼い子供が二人いました。私は祈りながら、あふれる涙を抑えることができませんでした。
 日本統治時代の四十年間、朝鮮民族には国がありませんでした。皆さんは今、日本という偉大な国で、何の不自由もなく暮らしているでしょう。しかし残念ながら、今の日本の若者は愛国心が薄いように感じます。
 国を持たない民族がどれだけ悲惨でしょうか。実際に経験しない限りは、どんなに話を聞いても、本当の意味で理解はできないと思います。
 私自身も、直接、体験したわけではありません。しかし、小さい頃から、周囲の大人たちから話を聞き、歴史教育を受け、さまざまな資料に触れてきました。それらを目にするたびに、国を失った悲しさ、つらさを実感してきました。
 尹奉吉義士が起こした事件の報告を受けた蔣介石は、「中国の百万大軍もできないことを、朝鮮の一青年がやり遂げたので感激だ」と語ったそうです。その後、蔣介石は、大韓民国臨時政府の活動を積極的に支援するようになりました。
 中国は広大な国土を持ち、人口も日本よりずっと多かったのです。にもかかわらず、日本に支配されていました。
 そのような悲しい出来事は、今もなお、起きています。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻です。
 ロシアは世界二位の軍事力を持っていると言われます。ですから、プーチン大統領をはじめ、ロシアの指導者たちは、侵攻して三日もすれば、ウクライナは降伏すると考えていたのではないでしょうか。しかし、西側諸国から軍事支援を受けながら、徹底抗戦は続いています。多くのウクライナ人が立ち上がり、八十歳のおばあさんまでも、銃を手に取り、「わが祖国を必ず守る!」と叫んでいるのです。

真の父母様を地上にお迎えするために犠牲となった愛国者たち

 国を守る、国を建てるということが、どれほど大変なことでしょうか。
 愛国者たちの基盤がなければ、真の父母様が地上に臨在することはできませんでした。天の摂理といえども、条件がなければ何もできないのです。
 真のお父様はこのように語っておられます。
 「韓国において安重根は、アジアの平和を主張した愛国者だというのです……。
 柳寛順は女性の象徴であり、安重根は男性の象徴です。その時は、安重根が三十二歳(数え)になる時期でした。イエス様と近い年齢で、サタン的な女性の国である敵国にやられたのです。しかし、サタンは韓国で成就する再臨の時代を知っていたので、サタン的な女性の国の立場では、いかなることをしてでも韓国を滅亡させなければなりませんでした。
 四千年の歴史を四十年で終わらせようとしたのです。柳寛順や安重根はそれを防御しようとしたのです」(『真の御父母様の生涯路程⑨』370ページ)
 韓半島に真の父母様をお迎えするために、十代、二十代、三十代の多くの青年が、命を落としました。

 真のお母様は天一国を宣布されました。皆さんは家庭連合の勇士です。
 天一国は、全人類が一つになるという神の国ですが、形はまだ見えないでしょう。皆さんは、その実体化のために天の召命を受けた勇士たちなのです。気力、体力ともにみなぎる青年・学生たちが、命懸けの決意をするならば、これまで以上のスピードで摂理は進んでいくはずです。そのぐらいの覚悟をして、天のみ旨に貢献してほしいと思います。
 この中には、会社勤めをしている人もいるでしょう。一か月働けば給料をもらい、家族を養ったり、自分の趣味にお金を使ったりすることができます。その幸せも、もちろん大切にしてほしいのですが、その次元にとどまってほしくはないのです。〝私は一人の会社員である前に、天の父母様(神様)の子女であり、天一国の勇士である!〟。そのような気概を持ち続けてください。

天との約束を果たすため、生涯を
貫かれた神の独り子、独り娘

 真のお父様が十五歳のとき、猫頭山で夜を徹して祈っていると、イエス様が現れました。そして、苦しむ人類のゆえに、神様が悲しんでおられることを伝え、地上で天のみ旨に対する特別な使命を果たしてほしいと願われたのです。
 十五歳というと、今であれば中学三年生か高校一年生です。その少年に向かって、人類を救い、神様を悲しみから解放してほしいというのです。これは〝ありえない話〟でしょう。しかし、真のお父様は、この途方もない願いを受け入れ、それを果たすために、生涯を捧げていかれたのです。イエス様との出会いのときから霊界に行かれるまで、心が変わることはありませんでした。
 真のお母様も同じです。真のお父様と聖婚されたときは十七歳でした。そのときに天と結んだ約束を成就するため、八十歳近くになっても、摂理の最前線で歩んでおられます。地上にお父様がおられなくなっても、変わらずに二十四時間態勢で精誠を尽くしておられるのです。
 生涯変わらない。それが、どれほど偉大なことでしょうか。皆さんは一日に何回も心が変化するでしょう。この瞬間に、〝天一国の勇士として、自らの使命を全うするぞ!〟と、気持ちが高揚していたとしても、集会が終わって家に着く頃には、〝大陸会長が盛り上げて話してくれたけれど、実際は難しいよね。こんなにも事情があるし〟というように、変化しているものなのです。
 聖書には、十二歳のイエス様が、エルサレムに上ったときのエピソードが書かれています(ルカ二・41〜52)。その頃、イエス様はすでに自らの使命をご存じだったと思います。イエス様も真の父母様と同じように、どのような立場に置かれても、神様を慰め、人類を救おうとされました。
 イエス様は、無実の罪で十字架に架けられました。左の強盗から、「キリストなら、自分を救ってみろ」とののしられ、ローマの兵士や役人たちから嘲笑されたのです。それでも、正に命が絶えようとするとき、神様に向かって、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」(ルカ二三・34)と懇願されました。
 もし、ここにいる一人を、私が理由もなく力いっぱい蹴飛ばしたとしたら、その人はどうなるでしょうか。私への恨みをつのらせ、〝どうしたらやっつけることができるだろうか〟と考えを巡らすでしょう。
 人間は堕落の血統を受け継いでいるので、少しでも恨みを抱くと、それを打ち消すことはとても難しいのです。神様に対しても、「あの人を絶対に赦してはいけません。懲らしめてください」と訴えるようになるでしょう。これが、堕落した人間と、神の独り子、独り娘としてお生まれになった方との違いです。
 神様が送ってくださった再臨のメシヤ、人類の真の父母と共にある家庭連合です。しかし、その歴史には多くの迫害がありました。
 以前に比べれば、ずいぶん減りましたが、今も、インターネットで「家庭連合」と検索すれば、批判的な記事は出てきます。それらを目にして傷つき、力を失って、教会に来られなくなる二世たちがいることが本当に残念です。
 イエス様は、悪いことをしたから十字架で殺されたのでしょうか。違います。それでは、家庭連合はどうでしょうか。真の父母様が進めてこられた世界平和活動、真の家庭づくり運動が悪いことなのでしょうか。私たちは堂々と歩んでいかなければなりません。
 私は二十歳のとき、統一教会(家庭連合)に導かれました。当時、キリスト教会に通っていたのですが、「原理」のみ言を聞いたときに衝撃が走りました。キリスト教会にはない教えに触れ、あまりにも感動して、すぐに統一教会に入信したのです。一九八〇年のことです。
 しかし、当時の統一教会に対する風当たりは相当なものでした。統一教会の「と」の字を口にした瞬間、言葉を遮られ、拒否されました。それでも私は、基盤のあるキリスト教会よりも、統一教会を選びました。理由は一つ。そこに真理があるからです。
 私は、クリスチャンたちが一週間、原理講義を聞けば、そのうち九十パーセントが伝道されると確信しています。私がその証拠です。真のお父様や真のお母様の悪口をさんざん言っていた私が、「原理」のみ言によってその口を閉ざし、完全に回心したのです。ハレルヤ! 自信を持ってください。

インドの独立のため、食べず、
寝ず、休まずに歩んだガンディー

 皆さんは、インドのマハトマ・ガンディーのことをご存じでしょう。彼は二十代の初めに弁護士資格を取り、商社の顧問弁護士として南アフリカに渡りました。そして、列車での移動中に事件が起きます。彼が運賃を払って乗車したにもかかわらず、車掌から人夫扱いをされたあげく、強制的に下車させられたのです。白人優位の人種差別政策のためでした。ガンディーの実家はとても裕福でしたし、幼い頃から差別を受けたことはなかったでしょう。しかも弁護士ですから、そのような目に遭うとは想像すらできなかったはずです。
 彼は、高原にある真っ暗な駅舎で、寒さに震えながら一晩を過ごしました。理不尽な扱いへの怒りや悔しさ、圧倒的な力を前にしての恐怖。さまざまな思いが交錯する中、「私は何のために南アフリカにいるんだ」と自問自答を繰り返したのです。彼は人種差別との闘いを決意しました。そして、英国によって支配される祖国を思い、〝インド人としての自覚〟が芽生えていったのです。
 南アフリカでの人種差別反対運動を経て、インドに帰国したガンディーは、「非暴力・不服従」による独立運動を指揮し始めました。英国の力を恐れて傍観していた人々が、一人、また一人と彼のもとに集い、独立運動はインド全土に広がっていきました。
 皆さん、彼は相撲取りのように体格がよかったでしょうか。彼は質素な食生活と、非暴力・不服従を訴えるための断食でやせ細り、肋骨が浮き出ていました。祖国の独立のために、食べず、寝ず、休まずに命を捧げたガンディーは、今でも〝インド独立の父〟として国民から慕われ、尊敬されています。
 ガンディーは祖国の解放を誓い、立ち上がりました。
 それでは、真の父母様はどうでしょうか。一つの国の救いのために歩まれたのでしょうか。そうではありません。真の父母様は全世界、全人類の救いのため、そして神様の解放のため、ワン・ファミリー・アンダー・ゴッドを実現しようとしてこられたのです。

神様のもとの人類一家族実現のため
身を捧げてきた貴い祝福家庭

 親なる神様のもと、人類が兄弟姉妹として愛し合う平和世界。これを実現することが、私たちの使命です。皆さんのお父さん、お母さんは、そのためにどれほど苦労してきたでしょうか。
 ここには、「自分は親から愛されてこなかった」「親がいつもいなくて寂しかった」と思っている人がいるでしょう。親子関係が悪くて悩んできたという人がいるかもしれません。しかし、皆さんのお父さん、お母さんこそ、世界で最も誇らしい方たちだということを忘れないでください。
 お父さんやお母さんは、神様と真の父母様の願いをかなえてさしあげるため、食べない、寝ない、休まない、そのような生活を続けてきました。皆さんにおいしいものを買って食べさせてあげるよりも、世界貢献を優先したことがあったかもしれません。天の願う平和世界をつくってこそ、皆さんに幸福がもたらされると信じて疑わなかったのです。お父さんやお母さんのことを批判しないでください。歴史上の偉人たち以上に偉大な方たちなのですから。
 ここに集った皆さんは、いろいろあったとしても、お父さんやお母さんと心がつながり、教会に対して抵抗感がない人たちではないでしょうか。皆さんにお願いが一つあります。それは、教会に来ることができていない二世たちに声をかけ、呼び戻すということです。
 彼らの多くは、親に対して反発していると思います。〝愛されなかった〟〝欲しい物を買ってもらえなかった〟。そのような恨みが積み重なり、拭えないでいるのです。しかし、彼らも二十代、三十代になり、もう子供ではありませんから、親の事情や気持ちも分かるのではないでしょうか。「原理」のみ言を学び、真の父母様が進めてこられた天の摂理を理解すれば、必ず親子関係は改善され、教会に希望を持つことができるはずです。

天一国の実体化のためには
志を持った二世・三世たちが必要

 天一国を早く実体化しなければなりません。真のお母様はもうすぐ八十歳になられます。お母様が歩まれる第二次七年路程のうち一年はすでに過ぎましたが、残された六年は、人類歴史六千年に匹敵するほど重要な期間です。
 真の父母様は十代で決意なさり、生涯、変わることはありませんでした。その心情世界を尋ね求めてみてください。そして、皆さんが真の父母様と同じように天の前に誓い、世の中に家庭連合を証ししていってくれることを願います。
 天一国の実体化のためには、地方や国のために貢献する二世・三世が増えていかなければなりません。
 ある教区では、教会スタッフが市議会議員選挙でトップ当選を果たしました。その方は家庭連合の信仰を明かしていたので、誹謗中傷も受けたそうですが、応援の声のほうが圧倒的に多かったのです。「信仰の何が問題なんだ! 議員の中には、不倫や浮気をして、倫理道徳的に間違っている人や、飲酒にまつわる問題を起こす人もいる。この方は、真面目に地域社会のために尽くしているじゃないか」と援護射撃があったそうです。
 私の感覚ですが、かつては一人の地方議員が立つことすら難しかったと思います。ところが今では、選挙のたびに新しく出てくるイメージがあります。皆さんの中から、真の父母様の「愛天愛人愛国」の思想を持って、天のため、日本のため、そして福井のため、議員として奉仕する人が現れることを期待します。
 少し前、私は、地方議員を務める祝福二世の男性と電話で話をしました。彼は四か国語を話すことができるとても優秀な兄弟です。私は彼に、「将来、日本の総理大臣になってほしい。そのために、二十一年路程を組んでください」と伝えました。いきなりのことで、彼は最初、戸惑っていましたが、「大陸会長の激励に感謝します。決意して臨みます!」と力強く答えてくれました。
 この二月に訪韓した際、真のお母様に彼のことを報告しました。お母様は、彼の年齢をお尋ねになり、「二十一年たったら、私は百歳だね。分かった。私も頑張るよ」とおっしゃいました。私は、「お母様、百歳ではなく、もっと長生きなさってください。いずれは、日本の総理大臣、韓国の大統領、米国の大統領、皆がお母様のもとに集い、世界は天一国になります!」とお伝えすると、お母様は「そうだ!」と、とてもお喜びになりました。
 ある地方を巡回したとき、きょうと同じような話をしたのですが、後日、中学三年生の女の子から私に手紙が届きました。そこには、「大陸会長、今回、集会を開いてくださり、本当にありがとうございます。私は、将来、何を目指して生きていこうかと迷っていました。それが、大陸会長のお話を聞いてはっきりしました。私は県知事になりたいです。勉強を一生懸命に頑張って、必ず県知事になります」と書かれていました。読みながら、私の心は喜びと希望でいっぱいになりました。そして、志を持って未来に一歩を踏み出したこの姉妹に、心からエールを送ったのです。
 中高生、大学生、青年の皆さんには、果敢に挑戦するための時間があります。一人一人にふさわしい使命が天から託されているので、よく祈り求めて、「公職者として教会の発展に貢献する!」「国会議員になる!」「起業して社長になる!」など、誓いを立てましょう。それを成し遂げることを通して、天の孝行息子、孝行娘になることができます。
 皆さんの背後には絶対善霊がいて、全面的に協助しています。祈祷やみ言の訓読など、天の前に精誠を尽くして目標に向かうならば、必ず成し遂げることができます。そのことを心に深く刻んでおいてください。
 「福井」という地名は、とても素晴らしいです。「福の井戸」。人々に福を与える、美しい水が湧き出る所です。素晴らしい人物が出てくることは間違いありません。きょうを起点に、人生を新しく切り開いていきましょう。

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