田中富広会長のメッセージ
本日は天の父母様の救援摂理の歴史の中で、天の召命に応え地上生活を天に捧げ切った多くの聖和者を偲びながら、全国の兄弟姉妹と共に神日本聖和祝祭を挙行できることに感謝申し上げます。
聖和者おひとりおひとりの地上での功績は、誰よりも天の父母様がわが子を誇る心情で一番心に留めて下さっていると思いますが、全国のご家族、ご親族の皆様におかれましては、ご生前の懐かしい思い出と共に、祈りの中で共鳴される時間を持たれていらっしゃることと思います。
本日はすべての聖和者を偲びながらの祝祭ではありますが、式典会場は、ここ尾瀬霊園から発信させていただいております。
ここには久保木修己初代会長ご夫妻をはじめとして、歴代の会長の皆様も葬られています。
右手に原理講論、左手に勝共理論を手に救国救世に向かって闘い続けられた歴戦の戦士とも言える大先輩の皆様の慰霊碑を前に、今日の試練に立ち向かう責任を頂く者として頭を垂れながら、霊的盾となって神日本を守ってくださる諸先輩に感謝の祈りを捧げさせて頂きました。そして大いなる勇気を頂いてこの場に立たせて頂きました。
天を愛し、人を愛し、国を愛する、愛天・愛人・愛国の思想を体現しながら生涯を燃やし切った諸先輩の勇姿に心から敬意を表し、わたしは後輩として誇りに思います。
本日はすべての聖和者の皆様と共に、この祝祭の時間を持たせて頂きます。
み言で学ぶように、私たちの地上生活の目的は「永生」にあります。
文鮮明総裁・真のお父様も、韓鶴子総裁・真のお母様も共に自叙伝で強調されるのは永生観の大切さであり、特に若い世代においては、知識を学び、どんな職業に就くかも大切だが、まずは永生の価値観を教えなければならないと語られます。
永生を見据えた人生を歩むのと、死ねば終わりと、刹那的・衝動的な人生観で生きるのとでは、天地の差があるからです。
いまさらですが、言うまでもなく、永生は愛の世界です。
本日のみ言にありましたように、「地上世界は空気でできていますが、あの世は愛の世界です」とあります。「皆さんの霊人体が準備できずに天国に入っていけば、息ができません。」とも語られます。母胎にいる時から地上生活での空気を吸うための呼吸器官を準備してから誕生するように、霊界に行く前に「愛の世界の呼吸器官を準備しなければならない」というお話です。
「赤ん坊が、自分の家を壊しておなかから出てくるのと同じです」とありました。
【田中家の出産】
本日は私の妻も一緒に来ているのですが、うちの奥様には出産に関してはとてもこだわりがありまして…どうしても病院ではなくて助産院で出産したいという強い要望があって、子供二人とも助産院で出産しました。
その助産院は、ラマーズ法という出産プログラムを活用していました。出主産時の痛みを和らげ、赤ちゃんが参道を通過するのをサポートするために、お母さんの呼吸で誘導するんです。
段階があるんですよ、陣痛が始まった段階での呼吸法、陣痛が頻繁にくるようになった時の呼吸法、分娩室に入ってからの呼吸法、赤ちゃんが見えてきてからの呼吸法と、全部で五段階あったかと思います。これを夫も一緒になって一か月くらい前から練習するんです。ひっふー、はっふー…
なぜ夫も共に練習するかというと、妻が痛みで呼吸が乱れるんです。そこで夫が横で妻の呼吸を誘導するんです。「はい、ご主人、ここから4段階です~とか」。長子誕生後、助産婦さんから「ご主人、完璧でしたよ」とお褒めの言葉を頂きました。
こんな話はどうでもいいのですが、私は、第一子の誕生の時に、人生で最大の神秘を観ました。いつもドラマとかで誕生シーンは見るのですが、目の前で起きている事実に、誕生の喜びとともに、実に神秘世界にふれた感動で、その余韻は生涯消えません。
それは、生まれたばかりの小さな命が、第一声の鳴き声を上げた瞬間に、体全身の生命器官が肺呼吸にきり変わるんです。今まで10月10日水の中で生活していた生命体が、一瞬にして空気を吸って生きる肺呼吸に変わるんです。だから赤ちゃんが泣かなかったら、叩いてでも泣かさなければいけない。正に大宇宙の神秘を目の前で見ている気持ちになりました。この神秘な構造は、いまだ誰も解明できていません。
一つの精子と、一つの卵子の結合が、生命誕生の神秘を演出する、あまりにも精密な設計図を前に、創造主の存在を意識しないわけにはいきませんでした。
文鮮明総裁が、男は一度、妻と一緒にこどもの誕生を迎えた方が良いと語っていらっしゃいますが、若い青年の皆様には、お勧めします。ただし、一度出産に共にむきあったら一生妻に頭が上がらなくなるということも付け加えておきます。あの産参苦の痛みを通過して生命を誕生させる妻を目の前にしたら、生涯、頭があがりません。
【愛中時代】
さて、話を戻しますが、こう考えると、水中での生活10月10日は、空中時代100年を生きるための準備の期間だったとも言えます。
そして、永生という視点から考えたら、空中時代は、愛中時代とでもいいましょうか、肉身を捨てて、霊界での愛の世界で生きていくことができる準備期間とも言えます。それが、先ほどのメッセージにあった「愛の世界の呼吸器官を準備しなければなりません」というお話しでしょう。これを作らないまま霊界に旅立ったら「息ができなくなってしまう」という話です。
【為に生きる生活】
その愛の価値観を中心とした永生での幸福を保障してくれる道は、地上での「為に生きる」生活です。この一点に尽きます。
真の父母様が生涯を通して教えてくださっている価値観の核心は「他の為に生きる」価値観であり、そこから来る喜びこそが真実の幸福を保障してくれるということでした。
毎日唱和する家庭盟誓にあるように家庭では孝子、国家では忠臣、世界では聖人、天宙では聖子ということですが、孝子・忠臣・聖人・聖子の本質はいずれも「為に生きる」人生観であり、その及ぶ範囲が異なるだけです。
地上生活で、私たちはために生きることにこそ永遠に通じる喜びがあることをつかみ取ることが大切です。それが、永生に通じる核心だからです。
【ここが霊界】
真の父母様のみ言にこのようにあります。
「私たちは最後、どこに行かなければならないのかといえば、霊界です。それは何を意味するのでしょうか。一般的に死後の世界だと言いますが、死後の世界ではありません。なぜ、死後の世界にならないのでしょうか。真の愛と関係している世界だからです。真の愛と関係している世界なので、死後の世界ではないのです。真の愛を中心として出発したものなので、自分が真の愛の立場に立つようになるときは、既に今ここが霊界です。ですから、真の愛が偉大なのです。」
(1998年1月23日 韓国 ソウル、オリンピック公園重量挙げ競技場 四千万双祝福勝利歓迎および文鮮明先生み言訓読大会)
1998年に語られたみ言です。
「聖和」は私たちの教会の核心的ブランド価値です。
霊界は確実に存在します。死後の世界は確実に存在します。しかも、地上に生きる私たちの生活圏、ここが霊界だとも語られます。真の愛に生きる者はすでに永生に通じているということです。
愛は単独では成立できません。相対があって初めて得られる愛の喜びです。聖和者と共に真の愛の関係を永遠に結びながら愛の喜びを共鳴できているなら、ここがすでに霊界なのです。
聖和された後にも共に生活する、これが私たちの聖和ブランドです。
霊界と地上界に分かれていても、どちらにいるのかというよりも、真の愛の中にあるか否かの方がもっと重要なのです。
世に生を受けた私たちは、既に永生の中にあるといっても過言ではありません。
ただ地上でしかできない最大の使命は霊人体の完成です。別な表現を使えば愛の完成ということです。さらに別な表現をするなら四大心情の完成とも言えます。子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛、これは、自分で責任を負わなければなりません。
人は父母の愛の中に生まれ、多くの祈りに支えられながら成長していきます。成長と共に愛されて幸福を味わう立場から、愛してこそ永遠に通じる幸福があることに気づくようになります。愛する方の笑顔の中にこそ幸福があることを私たちは日常の中で体感します。
【聖和者との関係構築】
そう考えると、地上人との関係性における努力も大切ですが、聖和者との関係においても、なお四大心情を築いていく生活は大切だと思います。昨今の天心苑特別徹夜精誠における二世の皆さんの証しを聞いていてなお、そう思います。
すでに聖和されたお父さん、お母さんとの関係を、天心苑祈祷を通して、また真のお母様との心情圏の回復の度合いに応じて、天上の実の父母に対する心情を回復していく姿をみながら、尚、そう感じます。
聖和者との関係をより深めるためにも、地上における努力も必要です。
特に、聖和者のご生前に築いた思い出の場所にいくことも大切だと思います。どんなに時が過ぎてもその場所で感じた思いや心情は永遠に残るものです。
改めて思い出の場所に立って聖和者と対話してみると、違った気づきも与えられることも有るでしょう。
真のお母様はお父様聖和後、すぐに米国を西海岸から東海岸に横断されながらお父様と共に行かれた地を訪ねて行かれました。また、ヨーロッパにも行かれていくつもの山を訪れながら、お父様と対話され続けられました。
そして、お父様の考えが私の考えとなり、私の考えがお父様の考えとなりましたと語られました。私たちもみ旨の忙しい中でも、そんな時間を持ってみることも大切かと思います。
【過去の人にしてはいけない】
大切なことは聖和者を過去の方にしてしまってはいけないということです。聖和されて尚、共に天の摂理を推進する同士であり、永遠の愛のパートナーでもあります。
アルバムに閉じ込めてしまって、記念日を迎えて懐かしむ対象にしてしまっては、天地統一作戦で共に歩む同士として失礼ではないでしょうか。
聖和者たちは、間違いなく地上の私たちを見詰め、愛の世界で私たちと通じています。もし、地上に残してきた思いがあれば、その成就を期待し、協助してくれることでしょう。
【試練を乗り越えた先に、必ず神が準備された祝福がある】
現在、家庭連合は大きな試練に直面しています。思いかけず、韓国では真のお母様が拘置所に収監されて、本日、十四日目を迎えています。“何ゆえ、こんな事態に至ってしまったのか”と、叫びたくなるような思いを、食ロの皆さんも抱えていると思います。
人類歴史をさかのぼってみると、大きな迫害を受け、試練に向き合った宗教であればあるほど、発展し、力強く歴史を牽引してきました。真のお父様は、試練を受けるときは、新しい時代の扉が開く瞬間でもあると語り、その扉を開ける者たちは、強い信仰を持ち、その先をしっかりと見据えなければならないと指導されました。
私がポーラ・ホワイト氏(米国・ホワイトハウス信仰局上級顧問)にお会いしたとき、このように言われました。
「あなたは試練のただ中にいますが、神は、試練を超えられるからこそ、あなたを立てられました。教団が、受けている国家的迫害を超えられるので、立てておられるのです。試練の向こうに、必ず神が準備された祝福があります。それを信じて乗り越えてください。試練を受けずに、りっぱなリーダーになった人はいないでしよう」
ポーラ・ホワイト氏は本物の信仰者です。私は謙虚にその激励の言葉を受け止めました。
皆さん、ひるむことなく試練と向き合っていきましよう。天が未来に期待を込めて準備された祝福があります。そこに向かって、全国の兄弟姉妹、そして、聖和者と共に新しい出発をしてまいりましょう。
本日の祝祭が、天上で歩む聖和者を慰労し、共に感謝の心情で新しい一歩を踏み出す、良き一日になることを祈念し、絶対善霊として力強い協助をしてくださるように願いながら、主礼のメッセージとさせていただきます。
ありかとうございました。
