十月七日、千葉県浦安市の一心特別教育院で、天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸会長夫妻を迎えて「ビジョン2027勝利のための神日本指導者緊急特別集会」が行われ、全国の牧会者、婦人代表が参加しました。メッセージに立った方相逸・大陸会長は、「きょうから家庭連合は、伝道中心の体制をさらに強化します」と訴え、参加者を激励しました。(文責・編集部)
食口たちの家庭に目を向けるとき
敬愛する牧会者、婦人代表の皆さん。こんにちは。久しぶりに一堂に会することができ、うれしく思います。
この集会が行われていることを、真のお母様もご存じです。今朝も尹煐鎬・世界本部本部長から電話があり、日本が早くこの茨の道を踏み越えることを、お母様が切に願っておられると伺いました。お母様は、常に日本のことを気にかけ、心を込めて祈ってくださっています。
皆さんは、現場で食口たちと共に大変な日々を過ごしているでしょう。私は、日本のようすを真のお母様に手紙で報告していますが、安倍晋三元首相の銃撃事件以降、その内容は一変しました。食口たちの素晴らしい活躍を手紙に記すのは心が踊ります。しかし、今はお母様に喜んでいただけるような出来事が見当たらないのです。とてもつらい日々です。尹煐鎬本部長は、お母様の胸の痛みを思い、あまりにも悲しい報告は自らの記憶にとどめて、時を待ってからお伝えしていると打ち明けてくれました。
日本は、母の国として、世界で展開される平和活動を支援してきました。皆さんは、その推進のためにどれほど苦労してきたでしょうか。
皆さん、私たちは変化すべき時を迎えました。食口たちの家庭、そして自分自身の家庭の状況に目を向けるのです。世界に目を向けるあまり、家庭に尽くすことができなかった過去を反省しない限り、未来は開かれません。
私たちは、五十年、六十年、家庭の大切さを人々に訴えてきました。にもかかわらず、自らの家庭のことは後回しにしてきたのです。み旨成就に向かって全力疾走してきましたが、後ろを振り返ると、夫(妻)や子供たちが置き去りにされていたのです。サタンは、それを見逃しません。それを利用し、教会の指導者や食口たちに総攻撃をしかけています。
私は負けず嫌いです。本当は、教会のことを批判する人々のところに飛んでいって論争したいのです。しかし、そんなわけにはいかないでしょう。法的に対処し、慎重に事を進める必要があるのです。
このたび「教会改革推進本部」が設置され、勅使河原秀行・本部長が立ちました。すでに二度、記者会見を行いました(38ページに9月22日の会見文)。勅使河原本部長の雄姿が、日本国民の目に焼き付いたのではないでしょうか。
未来人材育成が教会発展の鍵
七月八日の事件は、決して起きてはいけませんでした。しかし、これをきっかけに多くのことを学んだのも事実です。なぜ私たちは、これほどまでに、二世たちのことを考えられなかったのでしょうか。
二〇二〇年十月二十五日の出発式で、私は五大方針を発表しました。その一つ目の項目が「未来人材育成」でした。その理由は、長い間、私が現場で指導者を務めてきて、いちばん多く耳にしたのが二世の問題だったからです。
日本には、祝福二世、信仰二世、伝道されてきた一世青年が数多くいます。全ての二世圏と向き合い、大切に育てていたら、日本家庭連合は途方もなく発展していたでしょう。
三十年前、三万双のときに現在と同様の状況に陥りましたが、教会体制の刷新は不十分でした。今回も改革に手を付けず、そのまま三十年が過ぎたらどうなるでしょうか。一世の多くは霊界に旅立っているでしょう。現在、二世の半数は教会につながっているといっても、彼らが今の体制のまま教会を引っ張っていくのは難しいでしょう。だからこそ、家庭に目を向け、彼らを育てていかなければならないのです。
問題を抱えているならば、皆さんが率先して、夫婦関係や親子関係を改善していきましょう。家族に関心を持ち、愛情を注いでいけば、天の父母様(神様)と真の父母様のもとに皆で帰ることができます。各家庭で事情は違ったとしても、祝福家庭、食口がお互いに事情と心情を共有し、支え合っていけば、それほど時間はかからないはずです。
私は毎月、千葉の二十一日修錬会を巡回しています。そこで聞いた証しを紹介します。
ある親が子供に向かって、「私の願いを一つだけ聞いてほしい」と訴えたそうです。そして、座らせた子供に向かって敬礼し、二十一日修に参加してほしいとお願いしました。子供は、それまで見たことのない親のふるまいに驚くとともに、今まで反発し、衝突を繰り返した自分のために、なぜそこまでするのだろうと不思議に思ったそうです。その後、二十一日修に参加した子供は、み言を学んで祈りを捧げる中で、「このみ言に出合って、お父さんとお母さんは祝福を受けたのか……」と感動したのです。
皆さんが、子供に二十一日修の素晴らしさを説明し、参加するように言っても、話を聞いてもらえないこともあるでしょう。それなら、この親のように、真剣に何でもしてみるべきです。
実は、私の長男が八月に二十一日修に参加しました。中高生でみ言を学んで以来、十二年ぶりの修錬会です。
長男や長女が立てば、弟妹もついていきやすいでしょう。私たち夫婦は、以前から息子に二十一日修を勧めてきましたが、心を動かすことはできませんでした。それで、息子といちばん仲が良い二世の友人に説得してもらおうと考えたのです。教会に来ていない二世たちは、同じような立場の二世と仲が良いでしょう。その子たちが鍵です。私たちは、息子の友人を食事に誘い、息子と話してもらえるように頼みました。彼は「いいですよ」と快く引き受け、息子を二十一日修に導いてくれたのです。
二十一日修後、息子は私に、「み言って〝やばい〟ね。本当に感動した」と言いました。そして、「お母さん、天一国経典の『天聖経』ってあるの? 読みたいんだけど」と聞いてきたので、妻が、「『平和経』や『真の父母経』もあるよ」と答えると、三冊とも持っていったのです。息子は完全に変わりました。教会に来ていない友人たちを二十一日修に参加させてあげたいと言い、すでに三人が、来月、行くことになっているそうです。
真の父母様の伝統はみ言から始まる
私は一九九八年に、真の父母様の願いを受けて来日しました。そのとき、真のお父様から日本で行うべきことを三つ指導されました。
一つ目が、真の父母様の伝統を教えることです。
真のお父様は、真の父母様の伝統はみ言から始まるとおっしゃいました。今から七十年前の一九五二年、お父様は「原理原本」の執筆を終え、「原理」という天の武器によって、世界を復帰する闘いを始められました。そして、何もないところから、現在の世界的基盤をつくられたのです。
家庭連合の重要な伝統は、み言によって勝利することです。当然、牧会者は原理講義ができなければなりません。今後、教区長や教会長は原理講義をする機会が増えるでしょう。自ら講義し、率先して伝道するのです。基本的に、教会は所属食口たちの十分の一献金で運営されるので、伝道して食口が増えない限り、維持することはできません。もちろん、心情文化共同体として、教会同士で助け合うこともあると思いますが、それにも限界はあるでしょう。教会の規模に関係なく、教会長が責任を持って自立していくことが願われています。
二つ目は、民団と朝鮮総連を一つにすることです。
真のお父様は、「日本には民団と朝鮮総連という選民がいる」とおっしゃり、この二つの団体が一つになれば、母の国・日本で南北統一が成されたことになると説明されました。それを土台に韓半島の南北統一の道が開かれていくのです。
約三か月、私たちはマスメディアから「旧統一教会」と連呼され、苦難の日々を送ってきました。しかし、在日同胞の人々は、それとは比べ物にならない苦痛を、長い間、背負ってきたのです。これまで以上に、彼らに深い関心を寄せてくださるようお願いします。
三つ目は、人々に韓国語を教えてあげながら、それを通して韓国文化を伝えることです。
父の国・韓国と母の国・日本は、文化的にも、天の父母様を中心として一つにならなければなりません。
ウクライナとロシアの紛争は、七か月以上が過ぎても、終息のきざしが見えません。なぜ、このような紛争が世界のあちこちで起きるのでしょうか。真のお父様は、父の国と母の国が一つになっていないからだと説明されました。子供は、親がけんかをすれば不安になり、問題を起こします。同様に、父母の国が一つにならない限り、子女の国同士の争いは絶えないのです。韓国と日本が一つになってこそ、世界に平和がもたらされます。
私はかつて、日本に対する強い嫌悪感を持っていました。しかし、真の父母様の祝福によって日本人の相対者と結ばれ、来日してみ旨に投入する中で、日本を愛することができるようになりました。真のお父様は、日本に渡る韓国人牧会者たちに対して、母の国・日本で教育を受けて生まれ変わり、韓国に戻ってくるように語られました。家庭連合の教えに反日思想があるというマスメディアの報道は、全くのデタラメです。
大変なときだからこそ伝道が進む
きょうから家庭連合は、伝道中心の体制をさらに強化します。石尾豪志・伝道教育局長は、こういう状況でも、伝道が進んでいる所があると報告しています(16ページに関連記事)。大変なときだからこそ、家族にみ言を伝えやすいというのです。
最近、ある韓国婦人から電話がありました。彼女は今回の事件で、仲良くしてきた友人を気軽に自宅に招くことができなくなり、とても心苦しかったといいます。それで、友人たちがどのように思っているのか確認するため、六人の友人に、「昼食を準備するので、うちに遊びに来ませんか」と声をかけたそうです。夫と、「二、三人は来てくれるかなあ」と話しながら、その日を迎えると、なんと全員が来てくれたのです。そして、友人たちがマスメディアの報道に触れ、「こんなに良い人はいないのに、何でテレビは悪いことばかり言うんだろうね」などと言い、食事会はとても盛り上がったそうです。
ある世論調査では、家庭連合に悪い印象を持っている人が八十四パーセントということでした。皆さん、私たちのことを、「そんなに悪い人じゃないですよ」と言ってくれる十六パーセントの人に注目しましょう。全国民が私たちに反対しているのではありません。日本の人口の一パーセントは何人ですか? 百二十五万人です。十パーセントなら千二百五十万人です。
九月四日、真のお母様からお電話を頂きました。そのとき、「日本は今、難しく、厳しいときでしょう。これを克服しなければなりません。これから二世、三世をよく教育して、伝道で十倍化しなさい」と激励してくださいました。私は、伝道に向かうように鼓舞するこのみ言には、私たち自身が強くなり、正々堂々と歩んでほしいという意味があるのだと捉えました。「あなたたちなら十倍化も問題ない!」と勇気づけてくださったのだと思うのです。
私の家庭のことを少しお話しします。
七月十七日に田中富広会長が日曜礼拝で説教し、それがインターネットで全国に配信されました(本誌9月号)。そのとき、田中会長が涙ながらに祝祷したのですが、妻はその姿を見て、四十日間、四百拝の敬礼を捧げることを決意しました。何日か過ぎたとき、私が「本当に大丈夫?」と尋ねると、妻は、「四百拝を捧げて祈ると、深いお祈りができるのよ」とうれしそうに答えました。
そのようにして四十日を終えたとき、家族全員が新型コロナウイルスに感染したのです。四、五日すると、私や子供たちは元気になりましたが、妻だけは二十一日間、重い症状に苦しみました。歩くのもままならず、ハアハアと息をしながら過ごしたのです。それは、六人の子供を出産したときの苦痛よりも大変だったといいます。真のお母様は、現在の日本の状況を「陣痛」と表現されました。私の妻も、日本を代表する立場で陣痛を通過したのでしょう。日本に「玉のような子」を授かるための、天に捧げる貴い条件なのだと思います。
天の父母様と真の父母様が行かれた道だからこそ、私たちも歩む
ここで、あらかじめ準備してきた原稿を読ませていただきます。すでに語った内容と重なる部分があったらご容赦ください。
私たちは、天の父母様と真の父母様のみ旨の前に、全てを捧げて投入してきました。子供たちの世話をする暇はなく、家庭に責任を負う余裕もありませんでした。国のため、世界のためならと、惜しまずに投入してきたのです。しかし、私たちの行く道は誰にも理解されませんでした。石を投げられ、あざけられ、非難ばかりされる、み旨を知った私たちだけが歩む涙の道でした。では、険しい茨の道をなぜ歩んできたのでしょうか。それは、私たちが尊敬してやまない、愛する真の父母様が行かれた道だからです。
私たちは家庭連合に入ってきて、ただ一日も心安らかに暮らすことはできなかったでしょう。自らの栄光だけを考えれば、このような道を誰も行くことはできません。たたかれて、また、たたかれて、限りなくたたかれて生きてきた、私たちの人生ではなかったでしょうか。そんな人生でも、真の父母様にお会いできて、うれしく、幸せでした。
真の父母様はいつも、「苦労しなければならない」とおっしゃいました。苦労した者が、栄光の冕旒冠(王冠)をかぶる資格があるのだと教えてくださったのです。この迫害、苦痛を耐え忍ぶことも、また幸せです。人々が石を投げ、むちを打つときも、一言も痛いと言いません。真の父母様の教えを実践するためだからです。
「蕩減」とは、私たちにとって最高に祝福された言葉です。蕩減をたくさん受ける人こそ、大きな祝福を受けるので、どんな苦痛や試練があっても我慢して歩んできました。そのような私たちを、世の中の人は、罪人だ、反社会的団体だと言います。
神様は失った子供を捜すため、六千年間、訪ね歩いてこられました。あらゆる受難の歴史を経て、血と汗と涙を流しながら、この恨を耐えてこられたのです。そして、探し出された方が真の父母様です。真の父母様は、神様の解放と人類の救援を目標として掲げ、ただ父母の心情と僕の体をもって、全てを投入されました。だからこそ、子女である私たちも、涙と迫害の道を避けずに誇らしく歩んできたのです。
真の父母様は私たちに、苦労すること、迫害を受けることは、悪いことではなく、後孫万代を感動させるための材料になるのだと指導されました。「休みなさい、遊びなさい」とはおっしゃいませんでした。そして、「サタンは賢いので、苦労する所、難しい所には行きません。大変な所には神様がいらっしゃるから、いちばん安全です」と語り、その道を進むように指導されたのです。
しかし、世の中から反社会的団体だと言われれば悔しいです。あまりにも悔しくて、血の涙が流れます。それでも、目をつぶって祈ると、神様は私を静かに訪ねてきて、「許しなさい。理解しなさい。そして愛しなさい」と言われます。そのとき、真の父母様がこのような道を来られたのだと知り、限りなく涙があふれるのです。私たちは、天の父母様と真の父母様のことを理解するため、苦労の道を選んだのです。
真のお父様は、罪がないにもかかわらず、六度も監獄に入られました。しかし、一度も助けを求めず、恨むこともありませんでした。どのような拷問や迫害を受けても、「心配なさらないでください」と、神様を慰労されたのです。
真の父母様は、怨讐関係にあった日本を誰よりも愛されました。韓国が解放されたとき、自らを拷問した日本の官憲を訪ね、日本に無事に帰れるようにされました。そして、世界で最初に宣教師を派遣し、命懸けの祈りと精誠を捧げてくださったのです。そのようにして、私たちに怨讐を愛する方法を教えてくださいました。
真のお母様は、「磁石になりなさい。クリスタルよりも、透明な姿になりなさい。ピュアウォーター、きれいな姿になりなさい」とおっしゃいます。私たちは今こそ、過去を反省し、新しいビジョンを持って再出発しなければなりません。よく反省してこそ、新しく出発し、発展できます。全ての力を結集し、天の父母様の夢、真の父母様の夢を果たすのです。
今は、真の父母様が共におられる、人生の黄金期です。私たちは、真の父母様から祝福を受け、真の父母様の子女として生まれ変わりました。世界の人口は約八十億人ですが、私たちほど、恵みを受けた人がいるでしょうか。
指導者としての三つの心得
今が、摂理的にどれほど重要なときかを理解していただいたうえで、指導者としての三つの心得をお伝えします。
一番目、真の父母様と心情一致した指導者になりましょう。真の父母様は私たちの命の根源です。真の父母様が私たちの心の中から抜けてしまったら、私たちには何も残りません。
二番目、これまで以上に、食口たちを愛する指導者になりましょう。
三番目、率先して食口たちの模範となる指導者になりましょう。指導者の皆さんから幸せな家庭を築いてください。
続いて、教会の取り組みについて三つの点を確認します。
第一に、きょうから伝道中心の体制を強化します。だからこそ教会長が重要です。教会長は、先述した心得を記憶にとどめ、食口たちと一つになってりっぱな教会をつくり上げてください。
第二に、教会改革推進本部を中心に改革を推し進めます。まずは、勅使河原本部長が会見で発表した内容(38ページ)をさらに遵守してください。そして、人材配置も検討します。天は、二世公職者を積極的に登用し、本格的な二世時代をスタートすることを願っておられます。そこで、二十人の二世公職者を選抜し、二十一日修錬会を行います。
第三に、きょうから二百十日間が、天苑宮・天一聖殿奉献のための特別精誠期間となります。祝福家庭、食口の皆さんは、各自で敬礼の精誠を捧げてください。また、天寶四十三家庭の実勢化、足が遠のいている食口の復帰、祝福活動の展開にも力を注いでください。
家庭連合がますます発展できるように、天の父母様と真の父母様、本部と現場の指導者が一体となって力強く歩んでまいりましょう。