勝利への道

 三月三十日、東京・渋谷の松濤本部で「全国合同礼拝」が行われ、オンラインで配信されました。司会が聖句を拝読したあと、説教に立った田中富広会長は、東京地裁が行った解散命令の決定の背後にある、共産主義勢力との闘いについて語り、日本の全ての祝福家庭、食口が、「ホーリーマザー・ハン」と一つとなり、天の摂理の“聖戦”に必ず勝利していきましょうと訴えました。(文責・編集部)

拝読の聖句
 さて、ヨハネは獄中でキリストのみわざについて伝え聞き、自分の弟子たちをつかわして、イエスに言わせた、「『きたるべきかた』はあなたなのですか。それとも、ほかにだれかを待つべきでしょうか」。イエスは答えて言われた、「行って、あなたがたが見聞きしていることをヨハネに報告しなさい。盲人は見え、足なえは歩き、重い皮膚病にかかった人はきよまり、耳しいは聞え、死人は生きかえり、貧しい人々は福音を聞かされている。わたしにつまずかない者は、さいわいである」。
 彼らが帰ってしまうと、イエスはヨハネのことを群衆に語りはじめられた、「あなたがたは、何を見に荒野に出てきたのか。風に揺らぐ葦であるか。では、何を見に出てきたのか。柔らかい着物をまとった人か。柔らかい着物をまとった人々なら、王の家にいる。では、なんのために出てきたのか。預言者を見るためか。そうだ、あなたがたに言うが、預言者以上の者である」。(マタイ一一・2〜9)

本文

解散命令決定のご報告を受け、
言葉をのみ込まれた真のお母様

 愛する祝福家庭、食口の皆さん、おはようございます。アンニョンハシムニカ? グッドモーニング!
 三月最後の日曜日の礼拝を合同礼拝とさせていただきました。教会で参加している方、家庭で同参している方、スマホで視聴している方、さまざまにいらっしゃると思います。
 本日は、全国の全ての食口と連結したいと願い、オンラインによる合同礼拝とさせていただきました。真の父母様に対する絶対信仰、絶対愛を捧げるとともに、切実な思いを込めて、食口の皆さんにご挨拶を申し上げます。
 今この瞬間、全国、全世界の食口の皆さんの顔、私たちの未来世代の顔が、私に向かって波のように押し寄せてきます。さらには、私のEメールアドレスにもたくさんの声が届いています。
 真のお母様は、三月二十五日に出された東京地裁の決定に、どれほどの悲しみ、心の痛みを感じられたことでしょうか。良い知らせをお伝えすることができず、心苦しい思いでいっぱいです。歴史的に重要な一日を迎える直前に、誰よりも心を痛めていらっしゃるお母様の心中を思うと、言葉を失います。解散命令決定のご報告を受けられたとき、お母様は静かに目を閉じ、言葉を失われたと伺いました。親として、天の独り娘として、お話しになりたかった言葉は、たくさん、さまざまにあったと思います。しかし、全ての言葉をのみ込まれたのです。
 私は困難に直面するたびに、「祝福家庭」、そして「子女」という名称を下さった天の父母様(神様)、真の父母様に心から感謝と精誠の祈りを捧げてきました。不当な決定が出た日も、記者会見に先だって、この祈りを捧げました。それは、数々の迫害を受けたにもかかわらず、むしろ天を慰め、夜明けの空に迎える明けの明星のような祝福が待っていることを確信し、感謝の祈祷を捧げられた、真の父母様の崇高な精神に少しでも近づくためです。
 そして、悪が善を打つとき、天は必ず克服し、正道を取り戻す摂理をなさいました。そのことを思い、いつも毅然と、堂々としておられた真の父母様の姿に少しでも似るためです。何よりも、正義の闘いがあるたびに、後退することなく、強く連帯できるように知恵と力と勇気を下さったことに感謝するからです。

私たちはこの道を、
何のために歩んできたのか

 この二年八か月間、政府と社会、そして、ゆがんだマスコミ報道による迫害は、本当に厳しく残酷でした。社会的正義と信仰の自由、普遍的人権の実現が、この国では機能しませんでした。巨大な悪が、善を蹂躙し、真実をゆがめ、魔女狩りのように世論を誘導したことは、二千年前にイエス様を十字架につけた最悪の事件と同じでした。
 安倍元首相の銃撃事件後、ある家庭は、「これから二世、三世の子供たちは、もっと萎縮して、息を殺して生きていかなければなりません」と嘆いていました。十分に理解できます。また、十分に共感します。その現実に、重く悲痛な心を隠すことはできません。
 しかし、そのような苦難とつらさは、祝福の子女たちだけでしょうか? 信仰の道を選んだその瞬間から、家族や社会から誤解され、多くの苦しみを受けてきた一世世代の食口の皆さんはいかがでしょうか? 実は、私たち全員がその苦しみを味わい、今もそのトンネルを通過していると言えるのです。
 しかし、私は一人の信仰者として、この場で告白します。果たして、それゆえに、私たちは不幸になったでしょうか? それゆえに、私たちが選んだ、私たちが歩んできた人生が、間違っていたと言えるでしょうか?
 私たちは、この聖なる苦難を甘受し、受け入れることを決意して、歩んできたのではなかったでしょうか? 今まで、一体何を望み、何を見て、この道を歩んできたのでしょうか?
 先ほど拝読した聖句の一部です。
 「あなたがたは、何を見に荒野に出てきたのか。風に揺らぐ葦であるか。では、何を見に出てきたのか。柔らかい着物をまとった人か。柔らかい着物をまとった人々なら、王の家にいる。では、なんのために出てきたのか」
 これは、私たちに対する問いかけです。愛する食口の皆さん、私たちは何のために荒野を歩んできたのでしょうか? 何のために真の父母様を信仰してきたのでしょうか? 柔らかい着物を着た人になるためだったのでしょうか? そうではありません。私たちはむしろ、初めから柔らかい服を着た人をうらやましく思ってはいませんでした。では、なぜこのみ旨の道に進んできたのでしょうか?
 私たち家庭連合は、日本で統一教会として創立されてから六十五年、神の名を地に葬り、国家の核心的価値を蝕む悪なる思想と対峙して、勝共運動を展開してきました。命を懸けた闘いだったと思います。諸先輩は、その闘いを切り開いてこられました。ひとときもとどまることはなかったのです。それは、この国が共産主義に滅ぼされるかどうかの絶体絶命の岐路にあったからです。その長い闘いが形を変えて、きょうこの瞬間も続いています。

共産主義勢力から日本の自由と
平和を守る最後のとりで

 この闘いに何としても勝とうと、共産主義者たちは、私たちの大切な家族に対して、拉致監禁という不法行為を何十年も続けてきました。それでも、この国は、その反人権的な行為と信仰の自由の侵害に対して、一度たりとも真っすぐに立ち向かうことはありませんでした。
 自由と平和のために、より良き国をつくるために、最前線で共産主義勢力と闘ってきた私たちを、守るどころか、むしろ迫害する側に立ってきたとすれば、彼らは一体何者であり、誰のための公僕なのでしょうか。誰のために奉仕してきたと言えるのでしょうか。
 教会の創立直後から被害を受ける私たちを、見て見ぬふりをしてきた政府は、安倍元首相の銃撃事件を通じて、自由と民主主義を破棄してしまった国家であることを満天下に認めることになりました。
 家庭連合解散に向けた一連の裁判は初めから違法続きでした。彼らにとって、真実と正義は一つも重要ではありません。計画されたシナリオの中で、私たちを加害者にすることが急務だったのです。私たちが悪いから、不利だから加害者に追い込まれたのではありません。私たちの真実が、正義が、彼ら、すなわち共産主義勢力を確実に追い込んできたからです。
 米国のダンベリー刑務所で真のお父様が苦難を受けた理由も、これと同じでした。米国が崩れれば、世界の自由民主主義の防波堤が決壊することは自明でした。ですから、真の父母様は共産主義勢力と命を懸けて闘われるしかなかったのです。
 彼らは、真のお父様に致命的な汚点をつけるために、脱税の罪を着せました。お父様は彼らの意図を熟知していらっしゃいました。投獄前日の声明で、この事件の発端は、脱税問題ではなく、米国政府の宗教迫害であり、ご自身は無罪であることを証言し、その背後に共産主義勢力があることを訴えられたのです。
 真のお父様は、自らを迫害し、命を脅かす米国を救うために、「ワシントン・タイムズ」を創刊されました。米国が生かされてこそ、世界の自由民主主義陣営が守られるからです。
 日本で厳しい迫害に耐えながら勝共運動を展開された理由も同じです。日本が崩れると韓国が崩れ、アジア全体が崩れるので、日本から共産主義勢力を一掃しようとされたのです。
 この闘いは、必然的な天の“聖戦”です。私たちが天の摂理の隊列にいる限り、この闘いに必ず勝たなければなりません。私たちが日本の自由と平和の最後のとりでです。私たちが倒れれば、日本が倒れます。母なる国が滅びます。
 天から召された私たちには明確な責任があります。これは、私たちだけが物質的に豊かに生きるために与えられたものではありません。この日本に、天の父母様をお迎えする環境圏を安着させるためです。日本は天の父母様を必ず迎えていかなければなりません。
 天の父母様に実体で侍って生きる天一国十三年。私たちは真の父母様と一つとなった選民として、真の子女の責任を必ず果たしていかなければなりません。それこそが、私たちの愛する二世、三世の未来世代の子女たちを守る最善の道だからです。

共産主義との闘い、天の摂理の ための“聖戦”を全面的に展開

 これ以上、彼らがつくった、違法で、ゆがんだフレームにだまされてはなりません。私たちを加害者に仕立てようとする、巨悪の世論誘導に振り回されてはなりません。私たちが、民主主義世界の最も基本である信教の自由を国から侵害された被害者であると、世界中に訴えていくのです。私たちの無実を、最後まで堂々と訴えていかなければなりません。
 共産主義勢力は、私たちが衝撃と悲しみ、心配と恐れなど、さまざまな負の感情に振り回されることを望んでいます。それらが、私たちの内側に向けられた鬱憤や怒りに変わり、家庭連合の分裂を引き起こすことを望んでいるのです。私たちは、彼らの思いどおりには絶対になりません。恐れることも、分裂することも決してありません。私たちは強固に連帯し、より熱く、一つになってまいりましょう。
 私たちは、天が準備された義人を探し、挙国的な教育運動を展開していきます。義を求める世界の宗教人、ジャーナリストとも連帯し、宗教の自由と民主主義が息づく、正義の国々と連帯していきます。国連にも、国家的な宗教迫害を訴えてまいります。私たち日本教会は、共産主義勢力との闘い、天の摂理のための“聖戦”を、全面的に展開していくのです。
 全世界の食口たちは日本に注目し、その心が途切れることはありません。「み旨の応援歌」には力があります。私たちの合心共鳴祈祷には力があります。私たちの叫びは生きており、これから、もっと強力になるでしょう。
 悪は滅び、善は必ず勝つということを、歴史と摂理は、普遍の真理として雄弁に語っています。私たちは、何百回、何千回、苦難と危機を乗り越えられた真の父母様の生涯を覚えています。その偉大な真の愛の伝統を受け継ぎ、日本を天につないできた、私たちの人生です。その人生に誇りを持って前進してまいりましょう!
 愛する食口の皆さん。柔らかい着物を着るためではなく、神の国と神の義を求めて立ち上がった、あの頃の熱い心情に戻りましょう。神日本が母なる国として、完全に建国されるように、力強く前進していくのです。
 巨悪の共産主義の前に、一歩も引くことなく、闘いを進めていきましょう。私たちが諦めなければ、勝利は必ず私たちのものです。私たちが引き下がらなければ、天は必ず私たちを守ってくださいます。

必ず勝つという信念で
祈るからこそ、霊界は動く

 地裁の決定後、昨日、初めてこの場で青年二世圏の指導者たちと対話する時間を持ちました。決定に対して、悔しい、悲しい、衝撃だったと、思いを吐露するさまざまな言葉がありました。そのような中、「未来世代のために、一世世代が築いてくれたこの教会を守りたい」と、自らの思いを、言葉を振り絞って語る彼らに、私は感謝しました。まるで、真のお母様が、彼らの言葉を通して私にメッセージを送ってくださっているようでした。
 ある兄弟は、このように語りました。
 「自分の周りには、解散はないと断言する人もいれば、解散したあとは、どうなるのだろうかと心配する人もいる。自分は、解散後のことを考えるのは良くないと思う。そんな考えが一つでもあってはいけない。必ず勝つという姿勢でなければ霊界は動かない」
 必ず勝つという信念で祈るからこそ、霊界は動きます。必ず勝つと信じて心情を強く束ねるから、絶対善霊は協助します。揺れる心で祈って、どうして霊界が協助できるでしょうか。
 霊界と地上界が完全に一つになる今、天に対して祈りなさいと真のお母様がこれほど訴えられる今、不安な心で祈るのはやめましょう。必ず勝つ。そのための協助を求めて祈るのです。その思いを絶やすことなく、揺れる心をみじんも持たずに、天の前に向き合って祈祷に臨みましょう。
 誰よりもいちばん悔しく思われているのは真のお母様です。誰よりも最前線で闘いたいという心情をお持ちでしょう。今は、お母様に申し上げる言葉が本当にありません。
 真のお母様はすでに、勝利の道について何度も語ってくださっています。「私と一つになれば、必ず勝利できる」。他には何も語っていらっしゃいません。「ホーリーマザー・ハンと一つになりなさい。そうすれば必ず勝利できる」。お母様が語られたこの一言を、そのとおり形にするのは子女の責任です。お母様が形にすることではありません。
 勝利の道はそこにしかないというのであれば、私たちの使命はたった一つです。ホーリーマザー・ハンと完全に一つになる。これ以外に、どこに勝利の道を探せるでしょうか? いま一度、子女としての責任を自覚し、真のお母様の前に向き合っていかなければなりません。

「ホーリーマザー・ハン」の呼名 祈祷を捧げ、一つになって前進

 本日二〇二五年三月三十日は、真のお母様が地上に誕生されて、ちょうど三万日目です。そのことを数えてくれたのは、朱鎭台苑長です。その記念すべき一日から力を頂き、新しい出発ができることを心から感謝いたします。
 そして、明日三月三十一日からちょうど百日目が七月八日です。その日は、安倍元首相の銃撃事件の三周年を迎えます。この三か月は、私たちの運命をかけた勝負の期間です。絶対に勝利して超えなければなりません。
 真のお母様が最も心を注がれる、歴史的、摂理的な大転換となる四月十三日を、この間に迎え、私たちは、その勝利に同参し、新しい未来を共に見据えて出発します。そのように最も重要な霊的な基台を立てる百日間としていきましょう。そして、この間に、お母様の腹中・胎中に入り、完全にお母様と一つになって生み変えられ、未来を必ずつくり上げるという信念で出発してまいりましょう。
 この百日間は、全員が精誠祈祷に同参し、少しでも霊界の動員を連結できるように、各自、各教会が挑戦していきましょう。
 明日からの天心苑特別徹夜精誠は、Zoomではなく、YouTubeで配信されます。全食口が、どこからでもアクセスして、皆で祈りの精誠を捧げていきましょう。必ず霊界を動員するのだと決意し、前進してください。
 そして、願わくば、毎日、千回の呼名祈祷に挑戦してほしいと思います。祈る名前は、「ホーリーマザー・ハン」です。真のお母様のご健康とご長寿を祈ってください。お母様が四月十三日を、健康で、最高のお気持ちでお迎えになり、私たちが完全に一つになって新しく出発できるように、全員で、千回のホーリーマザー・ハンの呼名祈祷に挑戦していきましょう。
 速く呼名できる人は、大体十二分から十三分で終わります。通常は十五分ぐらいでしょうか。ゆっくり呼名祈祷する方は一時間でも二時間でも良いと思います。真のお母様が千回の呼名祈祷を強調されているのですから、私たちは、まずは「ホーリーマザー・ハン」のお名前を呼名祈祷しながら一つになって前進してまいりましょう。
 真のお母様から頂いた天心苑特別徹夜精誠は、宝物です。天の最大の武器として大切にし、全力で取り組んでいただけたらと思います。
 全国の祝福家庭、食口の皆さんに、心から感謝申し上げます。本部も最後の峠を越えるべく、結束して挑戦していくので、最前線の皆さんも勝利に向かって総進軍してください。天の前に子女としての責任を果たせるように、全力で頑張ってまいりましょう。