教会の希望、ビジョンである二世圏

 三月四日、南愛知教区金山家庭教会に天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸会長夫妻を迎えて、「南愛知教区二世圏特別集会」が行われました。激励のメッセージに立った方相逸・大陸会長は、二世圏に対する真のお母様の願いを証ししたうえで、「隣にいる兄弟姉妹を尊敬して愛し、教会から足が遠のいている二世たちをしっかり守っていきましょう」と呼びかけました。ここでは、その内容と藤之原和代・大陸会長夫人の挨拶をお届けします。(文責・編集部)

新任二世教区長と食口たちの
心情交流が願われた四十日修練会

 皆さん、こんにちは。お会いできてうれしいです。ギターの弾き語りやダンスパフォーマンス、三人の家庭青年の証しなど、どれも素晴らしかったです。
 私は今、新任二世教区長たちの赴任先を巡回しています。菊池一秀教区長夫妻に会えて本当に良かったです。子供が四人いると聞きましたが、ご夫妻は祝福候補者かと思うほど若く見えますね。
 第一次四十日路程では、全国の教会で、統一原理と真の父母様の生涯路程を学ぶための四十日修練会を行い、牧会者が自ら講師を担当しました。そのようになった理由の一つは、二世教区長と食口たちの心情関係を深めるためです。
 私は日本に来て、人事異動のたびに、新しい教会の食口一人一人と心が通じ合うのに時間がかかりました。私にとって、日本人の名前を覚えるのは簡単ではありません。最初に赴任した会津若松(福島県)の教会には、佐藤さん、伊藤さん、武藤さん、遠藤さん、斉藤さんというように、「藤」が付く名前の方がたくさんいました。一か月過ぎても、名前と顔がなかなか一致しないのです。「伊藤さんですよね?」「いえ、武藤です」。こんなやり取りを何度もしました。しかも、伊藤さんが何人もいるのです。冗談に聞こえるかもしれませんが、「いちばん大きい伊藤さん、二番目の伊藤さん……」というように、身長順に呼ばせてもらおうかと真剣に考えたほどです。
 昨年十月、真のお母様の願いを受けて、二世教区長が立ちました。もし、彼らが現場に定着できなかったら、批判の矛先は、お母様に向かうでしょう。「お母様は、日本の二世のことをよくご存じでないのに……」と不満を抱き、食口たちとお母様との間に心の壁ができてしまうかもしれません。二世時代の本格的到来が遠のく可能性もあります。
 私は悩み、天に祈り求めました。そして、本部スタッフと議論を重ねる中で、四十日修練会の開催を決定したのです。二世教区長と食口たちが、講師と修練生として、毎日、心情交流し、意見交換をすればいいと考えました。それは、「神霊と真理に満ちあふれた教会づくり」という真のお母様の願いにも合致するものでした。
 修練会に恩恵があることは、誰もが認めるところでしょう。ただ、全国に約三百ある教会の中で、二世教区長のいる所だけが行うと、「なぜ、うちの教会だけ」と疑問が生じたり、他の教会で、「なぜ、うちは行わないの」と批判が出たりしかねません。そのため、全国同時開催となりました。その結果、一番に恩恵を受けたのは、全国の牧会者たちでした。
 私は、二世教区長たち全員の講義のようすを見ました。皆、一世の牧会者よりも講義に慣れていない分、長い時間をかけて準備し、精誠を尽くして祈ったことがうかがえました。その姿に、二世圏、青年圏の時代が来たと確信したのです。
 真のお母様が、二世について語られたみ言は山ほどあります。お母様は、彼らのことを「ピュア・ウォーター」「クリスタル」などと表現されました。
 私の心に強く残っているみ言は、「二世圏が教会の希望、ビジョンです」というものです。この場にいる皆さんは、このような激励のみ言も、素直に受け入れることができるでしょう。では、教会に集うことのできていない兄弟姉妹はどうでしょうか? 彼らに関心を持って愛を投入し、共に歩めるようになれるかどうかで、家庭連合の真価が問われます。

夫婦はお互いに
尊敬し合わなければならない

 「愛」は偉大です。人間から愛を取ってしまえば、動物も同様です。ある面では、動物以下になるとも言えます。人間は、愛を表現することができますが、その奥深さは量り知れません。
 夫婦が十年、二十年、一緒に暮らしたとしても、相手の心の世界を隅々まで把握するのは難しいでしょう。いつまでたっても未知の世界が開けてきます。それを発見することが、夫婦の暮らしの楽しみと言えるかもしれません。
 私は、祝福を受けてから約三十五年がたちました。妻との暮らしが長くなればなるほど、妻が怖く感じます。それは、鬼や虎に対するような恐怖ではありません。妻は、私よりもずっと、天の摂理や霊界の動きに敏感で、判断がとても早いのです。私は、そんな妻に畏れを感じるとともに、心から尊敬しています。
 夫婦は、お互いに尊敬し合わなければなりません。共に生活をすれば、相手に不満を抱いたり、自分の足りなさに申し訳なさを感じたりするでしょう。しかし、ふたりが、それぞれの不足な面を補い合っていることに気づいたとき、感謝、尊敬、畏れの思いが生じます。そのように貴い存在として見詰め合いながら、神様の懐に近づいていくのです。
 皆さんは、ヤクザを見ると、恐ろしいと感じるでしょう。それは、暴力を振るうイメージがあるからです。彼らの拳の力を恐れているのです。しかし、拳の力は、愛の力に勝ることができません。
 体を鍛えたからといって、霊界で高い位置に行くわけではありません。ある程度の年齢に達すれば、体の成長は止まります。それに対して霊人体は、生きている限り成長できるのです。ですから、愛を育むことは、どんな力を身につけることよりも大切なのです。
 家庭青年の皆さんは、子供と自分、どちらが大切ですか? 誰もが、子供が大切だと答えるでしょう。親の立場になれば、皆、子供のことを第一に考えます。親は子供のために命を懸けるのです。
 神様と真の父母様は人類の親なので、ご自身のことよりも、子女である私たちのことを大切にしようとされます。真の父母様は、永遠に唯一の存在です。その価値は量り知れず、最も大切にすべきであるにもかかわらず、ご自身のことは顧みず、命を懸けて私たちを守ろうとしてくださいます。そのため、苦労の道、茨の道を歩んでこられました。
 今、社会には問題があふれています。夫婦関係は破綻し、親が子供を虐待することも珍しくありません。「親孝行」という言葉を〝死語〟と言う人さえいます。薬物汚染や性道徳の退廃など、青少年を取り巻く環境はめちゃくちゃです。同性婚について疑問視する意見を述べようものなら、〝差別主義者〟のレッテルを貼られて、激しく攻撃されます。そのような中で、家庭連合は、家庭で育む愛の貴さや本来の結婚の在り方について、声高に叫んできました。しかし、家庭連合に対するバッシング、マスメディアによる偏向報道は、いまだ収まりません。
 真のお母様は、お電話を下さり、「このような問題は、過ぎ去っていきます。心配しないでください。こういうときこそ、伝道するのです」と励ましてくださいました。そして、驚くことに、十倍化するように強く願われたのです。そのとき、教会に来ることができていない二世や三世についても言及されました。彼らが戻ってくれば、その家庭の父母や二世圏は大いに復興し、伝道の渦が巻き起こるのは間違いありません。
 皆さんが、伝道勝利のために、きょうから実践すべきことは、夫婦仲を良くすることです。仲の良い夫婦は、何も言わなくても、その姿に憧れて隣の人が関心を持つようになります。「本当に仲がいいね。なぜだろう。何か信仰を持っているらしいよ……」。このようにして向こうから訪ねてくるのです。これが伝道の出発点です。夫婦が一体化して伝道に向かえば、これまで以上に多くの人を伝道できます。
 もし、祝福家庭が、夫婦げんかばかりしていたら、「あの人たちは、口では『真の愛、真の愛』と言いながら、けんかばかりしているね」と陰口をたたかれ、せっかく教会につなげた伝道対象者も逃げていくことでしょう。

家庭連合は、解散事由に
該当する犯罪を犯していない

 どのテレビ番組を見ても、「旧統一教会、旧統一教会」と連呼される状況が続き、日本国民で、家庭連合のことを知らない人はいなくなったでしょう。真の父母様は、良い立場でも悪い立場でも、有名になるということは同じであると語られたことがあります。悪いイメージがついたとしても、それをいっぺんに覆すことができればいいというわけです。
 自分自身が罪を犯したのなら、世間から非難されなかったとしても、自らの行いを反省し、身を小さくしながら生きていくしかないでしょう。しかし、罪を犯していないのであれば、堂々とふるまうべきです。マスメディアが、解散請求をすべきとの報道を繰り返していますが、家庭連合は、解散事由に該当する犯罪を犯していません。天の摂理を推進するため、自ら進んで献金したことが、なぜ罪になるのですか。
 日本の宗教団体の中にも、大きな施設を構えているところはたくさんあります。家庭連合よりも、規模の大きい建造物を所有しています。
 私は、自宅で夕食を終えると、妻と一緒に一時間半ぐらい散歩をします。毎回、違ったルートを歩くようにしていますが、行くところ行くところで、ある宗教団体の会館を見かけます。どこも、相当な大きさです。当然、その会館を建設するために信者が多額の献金をしたはずです。そうでなければ、あれほどの会館を建てることができるでしょうか。
 その宗教団体と比べれば、家庭連合の活動規模はとても小さいです。にもかかわらず、日本共産党の指導者、左翼弁護士、左翼ジャーナリストたちが、家庭連合を攻撃するのは、友好団体が、共産主義の脅威を世に知らせ、勝共運動を展開してきたからです。彼らは、〝目障りな存在をつぶす絶好のチャンスが訪れた〟と喜び、この機に乗じているのです。
 文部科学省は、継続して、家庭連合に対する質問権を行使しています。そのつど誠実に対応し、ダンボール箱、何箱分にもなる回答を送付してきました。文科省の職員の方たちは、日夜、それらの資料に目を通し、「神氏族メシヤ」など、自分たちになじみのない用語を一つ一つ確認しながら検証しています。恐らく、皆さんよりも家庭連合の歴史に詳しくなっていくのではないでしょうか。

マスメディアの報道と
家庭連合の実体は全く違う

 皆さん、安心してください。家庭連合は決して倒れません。
 昨年、ある地方都市で、市議会議員選挙が行われ、初出馬した祝福家庭の候補者が、見事に上位で当選しました。選挙当時は、家庭連合へのバッシングが最も激しい頃でした。大量の反対ビラがまかれ、〝やっぱり無理なのか〟と思うこともあったそうです。しかし、有権者のお宅を訪問して支援を訴えると、皆が、その食口の人となりをよく知っているので、「あなたは絶対に悪い人には見えない。応援するよ!」と、激励の声をたくさん頂いたのです。
 結局、その食口は、反対の先頭に立っていた三人の候補者の得票数を足した数の票を獲得しました。彼らも、これはどういうことかと驚いているに違いありません。所属教会の女性部長は、その食口の奮闘ぶりに感動し、地域貢献への熱い思いを抱いて、「次は、私が出馬します!」と宣言しているそうです。副女性部長も立て、いつでも、引き継ぎをできるように備えていると聞きました。
 マスメディアは、国民の八〇パーセントが家庭連合の解散を望んでいると報道しました。そのデータは信用に値しません。報道と実体は全く違います。食口たちが地域で築いてきた基盤は、揺らいでいません。教会とつきあいのある人々は、「家庭連合の信者さんたちは純粋ですね」と賛美しています。悪いイメージを植えつけようと躍起になっている左翼系の人々に負けてはいけません。

隣にいる兄弟姉妹を尊敬して愛し、
全ての二世たちを守っていく

 青年・学生の皆さんが先頭を切って真の父母様を証ししていく時が来ました。神様と真の父母様は、皆さんの親として、変わることなく真の愛を注いでくださっています。その愛に応えるのです。
 今もなお、ウクライナではロシアとの戦争が続いています。戦争を引き起こしたプーチン大統領に隣国の人々を思う愛があれば、このような惨事は起こらなかったのではないでしょうか。
 私たち祝福家庭、二世、三世の兄弟姉妹も、お互いに愛し、尊敬し合わない限り、いつでも問題は生じます。自分の霊的な生命が大切であれば、今、教会に来ることができていない二世や三世たちの霊的生命も大切でしょう。私たちは、天の父母様(神様)、真の父母様を中心とした、かけがえのない兄弟姉妹なのです。
 一昨年八月、真のお母様に呼ばれて韓国の天正宮博物館に伺いました。
 真のお母様と同室させていただいたときのことです。沈黙が続き、気詰まりな雰囲気になったので、私は、このようにお母様に声をかけさせていただきました。「お母様。実は、私は二世です」。すると、お母様は、「えっ、あなたは二世だったかしら?」と驚かれました。私が、「一九六〇年に真の父母様がご聖婚されたので、それ以降に生まれた人は皆、二世ではないでしょうか」とご説明すると、お母様は「あー、そういうことね」と腑に落ちたごようすでした。
 真のご家庭で、譽進様は一九六〇年天暦十二月のお生まれです。真のお母様は、私に、「うちの譽進と同い年なの?」とお尋ねになったので、「私は、もう少し早く生まれたので、お兄さんです」とお答えしました。お母様は笑いながら「そうなのね」とおっしゃいました。
 私は、祝福二世ではありませんが、摂理的には二世であると自負しています。小藤田喜文・第三地区会長も同い年ですから、二世です。
 真のお母様は、二世圏が家庭連合の希望であると祝福してくださいました。私は、希望の実体である皆さんを、どのように地区や教区の中心に立てればいいのか常に考えています。二世教区長がいる教会を巡回しているのも、そのためです。今後も全力投球していきますが、私一人の力では足りません。地区会長、教区長、そして皆さんの力が必要です。私たちが、兄弟姉妹というのであれば、教会から足が遠のいた二世たちに、どんな悩みがあるのか、何に苦しんでいるのか、聞いてあげなければならないでしょう。一人一人に「一緒に食事に行こう」「散歩でもしよう」と声をかけ、交流のきっかけをつくってください。
 家庭連合の青年・学生基盤は、他の宗教団体がうらやむほどの規模があります。日本有数の宗教団体でも、青年一万人大会を開くのは簡単ではありません。家庭連合は、それを成し遂げてきました。誇りを持っていきましょう。
 隣にいる兄弟姉妹を尊敬して愛し、教会から足が遠のいている二世たちをしっかり守っていきましょう。皆さんが先頭を切って、真のお母様の、「二世が希望である」というみ言を証ししてくれることを願っています。

藤之原和代・大陸会長夫人のメッセージ

神様が私たちを呼び寄せ、願われること

 皆さん、こんばんは。きょうは、中学生から家庭青年まで、たくさんの方が集まってくださり、本当にありがとうございます。もう、菊池教区長を支える基盤がしっかりしていることを確認できたので、私から改めて言うべきことはないように思います。
 先ほど、家庭青年の方が証しをしてくれました。りっぱなお手本がいらっしゃるので、皆さんが先輩たちを目標にして歩めば、何も問題はないと思います。
 大陸会長は、新任二世教区長が赴任した教会を巡回しています。これまでに、六か所ほど回りました。各現場で食口たちに、「皆さん、教区長をぜひ、よろしくお願いします」と訴えているので、外的に見れば、選挙運動のようですが、内的には、真のお母様が、二世教区長たちにどのような願いを託していらっしゃるのかを伝えようとしています。

神様にとって貴い子女である二世を
兄弟姉妹として放っておけない

 全ての二世圏を取り戻すと言っても、年齢層や社会的立場、教会との距離感など、さまざまなので、皆が集うことのできる環境をつくるためには、それなりの覚悟をしなければなりません。お手本を見せるというだけでは難しいです。
 教会から長い間、足が遠のき、独りで苦しんでいる人もいれば、恨みが凝り固まってしまい、反対活動をしてマスメディアで取り上げられる方もいます。皆さんは、そういう二世たちのことも考えるために、今、この場にいるのだと再確認していただけたら幸いです。
 〝私は、自分の家庭が教会につながって生きていくだけで精いっぱいです。ほかの方のことまで気を配る余裕はありません〟という方もいると思います。それでも、ここに集い、私たちの話に耳を傾けているということは、神様が呼び寄せ、あなた方にお願いしたいことがあるはずなのです。祈ったり、実践したりしながら、天の願いを感じ取ってみてください。
 皆さんも、素直にここに来た人ばかりではないでしょう。教会のことを疑ったり、斜めに見たりしながら、集うようになったのではないですか? そういう人こそ、必要です。今はまだ、教会に対して背を向けている人のほうが多いのですから。
 南愛知教区も、教会に来ることができていない二世が多くいるでしょう。彼らも、自分の血を分けた兄弟姉妹だと思えば、放っておけないのではないですか? 神様にとっては、皆、貴い子女です。彼らが再び、教会との関わりを持てるように、皆さんの力を貸してください。
 今後、二世牧会者は増えていきますが、今は、全国に二十人の教区長が立っているだけです。皆さんは、先がけて恩恵を受けました。恐らく、皆さんが通過した気持ちは、菊池教区長も、かつて通過していることと思います。ですから、悩みも相談しやすいでしょう。それが、一世の牧会者との違いです。
 この教区に天の大きな期待が寄せられています。教区長と一つになって頑張ってください。ありがとうございます。