二月十八日、東京・渋谷の松濤本部に天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸会長夫妻を迎えて、「レダ開拓二十四周年・新春特別集会」が行われ、南米・レダ（パラグアイ北東部）の開拓に関わってきた先輩家庭が集いました。祝賀メッセージに立った方相逸・大陸会長は、米国開拓の歴史を振り返ったうえで、「私たち一人一人が、真の父母様の願いを胸に抱き、ピルグリム・ファーザーズのような開拓精神を持ってみ旨に臨むならば、必ず勝利することができるのです」と訴えました。（文責・編集部）
第一次四十日路程で行われた修練会で、最も恩恵を受けた牧会者たち
先輩家庭の皆様、こんにちは。レダ開拓二十四周年おめでとうございます。
この場にいらっしゃる皆様は、真の父母様の願いがあれば、地の果てまでも訪ねていこうとする勇士たちです。絶対信仰、絶対愛、絶対服従の精神で、生涯をかけてみ旨成就に邁進してこられた皆様を、尊敬してやみません。
実は、私は、「二十四数」に縁があります。というのも、小学一年生のときも中学一年生のときも、さらに高校一年生のときも、出席番号が二十四番だったのです。本当に不思議です。そんなことを思い出しながら、この、「レダ開拓二十四周年・新春特別集会」も心に深く刻まれました。
真の父母様は、地上に理想世界のモデルをつくろうとされました。そのために日本人国家メシヤたちが呼び集められ、進められてきたのが、レダ開発プロジェクトです。今は、多くの二世たちもプロジェクトに加わるようになりました（84ページに関連記事）。
私は、きょうを機に、先輩家庭のご苦労と二世たちの活躍を、日本全国に伝えようと決意を新たにしました。（拍手）
日本には、多くの祝福二世、信仰二世、伝道されてきた一世の青年たちがいます。二世たちの教会連結という面では、まだ課題がありますが、私たちには、他の宗教団体がうらやむほどの青年・学生基盤があるのです。
現在、日本家庭連合は、「新しい出発のための神日本全国第二次四十日特別精誠路程」（１月29日〜３月９日）に取り組んでいます。
牧会者たちが、食口、祝福家庭の自宅を一軒一軒訪ねて「尋訪」を行う中で、お互いの信頼関係はさらに深まり、天から注がれる愛と、連結された天運によって一世圏が大復興しています。そのような恩恵が広がることを通して、二世圏が天の摂理に貢献する道が、今後ますます開かれていくのは間違いないでしょう。
第一次四十日路程では、全国の教会で牧会者による修練会が開かれました。全国同時に四十日間、原理講義や真の父母様の生涯路程の講義が行われるのは、日本家庭連合の歴史上、初めてのことだったのではないでしょうか。
牧会者の中には、牧会歴が三十年、四十年になる人もいます。全国の牧会者にこの期間の感想を聞いてみると、「これまでの牧会人生で最も恵みを受けました」「講義を受ける食口たちよりも、講義をする私たちのほうが、恵みが大きかったです」などと恩恵を証ししてくれました。
全国の女性部長（前婦人代表）たちからも、「教会長の講義に感動しました！」という声が多数届いています。同様に、教会スタッフや基台長など、現場で中心的に歩んでいる人が、一番に恵みを受けたようです。
講義の準備に精誠の限りを尽くした
新任二世教区長たち
私も、講義に臨む牧会者たちから、たくさんの刺激を受けました。中でも、新任二世教区長たちの姿に深く感動しました。
今から四か月ほど前、真のお母様の大きな願いと期待を受けて、二十人の二世が教区長に就任しました。彼らが赴任して間もなく、第一次四十日路程が始まったのです。
私は、彼らの教会を巡回したり、オンライン配信を視聴したりしながら、全員の講義のようすを見させてもらいました。そして、二世時代の本格的な到来を実感するに至ったのです。
彼らは、自分に経験が不足していることを分かっています。そのため、講義の準備に精誠の限りを尽くしていました。青年・学生たちを前に語ったことは多くても、幅広い年齢層の先輩家庭に向かって語った経験はあまりないからです。
ある二世教区長は、板書講義に慣れていませんでした。そのため、事前にホワイトボードに板書しておき、それに沿って講義を進めていました。途中、ポイントの説明のたびに書き加えるので、講義後は、ホワイトボードが真っ黒になっていました。そのように丁寧にみ言を伝えていたので、食口たちは理解しやすかったと思います。
また、自分の講義をビデオ撮りし、食口たちに視聴してもらう二世教区長もいました。いきなり食口たちの前で語ることへの不安があったのかもしれません。彼は、より良い講義を届けたいという思いもあって、何度か撮り直しをしていました。そして、完成した講義映像を食口たちと一緒に視聴していたのです。その後、質疑応答などもして、学びを共有したのだろうと思います。
このように精誠を尽くして準備された講義なので、食口たちからは、「こんなにりっぱな講義を受けたことがありません」などと感想が寄せられました。
一世の牧会者たちは、これまでに何度も食口たちを前に説教をしたり、講義をしたりしてきたので、当然、場慣れしています。講義をすることに自信もあり、それほど準備をしなくても、勢いよく一気に語れる人もいるでしょう。その面では、緊張感に欠けることもあるのではないでしょうか。
しかし、二世教区長たちは、異動の直後、食口たちとの心情関係を築く前に、四十日間毎日、講義をするというのですから、緊張の連続だったのではないでしょうか。私は、彼らが寝る間も惜しんで祈り、講義を準備したのだと思うと、自然と涙が込み上げてきました。
先輩家庭の皆様。日本家庭連合の将来は希望にあふれています。このように天を愛し、食口たちにみ言を伝えようと真摯に努力する二世教区長たち、そして、彼らに続く二世・三世たちがいる限り、心配は要りません。
私は、第一次四十日路程で、み言によって復活した牧会者、教会スタッフ、全国の食口のようすや、赴任先で奮闘する二世教区長たちのようすを、真のお母様に全てご報告しました。お母様は、とてもお喜びになりました。
このように恩恵深い四十日修練会でしたが、全ての食口、祝福家庭が参加できたわけではなく、運営面で不足な点もあったと思います。それらを改善しながら、牧会者による講義、修練会の伝統を定着させ、神霊と真理に満ちた教会づくりを進めてまいります。
「神様を自由にお迎えできる国を建てたい」という願いから出発した米国
話をレダ開拓に戻します。
「レダ」は、韓国語の「내다」（私だ）の発音と似ていることから、レダ開拓は、〝私の開拓〟と言えます。
また、「開拓」の「開」と「拓」は、いずれも「ひらく」という意味がありますね。そして、「拓」の漢字は「手」と「石」からできています。つまり、開拓は、頭でやるものではないということです。理想を実現するために、手足、体を使って苦労するものであるということです。
ここで、米国開拓の歴史を振り返ってみましょう。
一六二〇年、英国国教会から迫害を受けていた清教徒たちが、信仰の自由を求め、彼らを含む百二人がメイフラワー号に乗って北米大陸に渡りました。彼らは、「ピルグリム・ファーザーズ」と呼ばれています。
米国の出発点には、「神様を自由にお迎えできる国を建てたい」という願いがありました。これが、米国の開拓精神です。彼らは、神様が共なる教会、神様が共なる学校、神様が共なる家庭をつくるために命を懸けました。決してお金や権力を求めたのではありません。彼らの動機は、神様によって祝福され、今日の超大国・米国が誕生しました。
その一方で、ヨーロッパから南米に渡る人が多くいました。彼らは金や銀をはじめとした鉱物を獲得し、財産を築こうという野心を抱いていました。
神様の国を建てようとして開拓された北米大陸。自らの財産を築こうとして開拓が進んだ南米大陸。現在、北米と南米では、経済面はもちろん、あらゆる面で格差が生じるようになりました。
私には、南米に住んでいる信仰の子女がいます。現地では、時間を守らないとか、約束を平気で破るというのは、よくあることのようです。皆様のように勤勉で真面目な日本人からすれば、考えられないことが本当に多いのです。国民性とか霊性においても差が生じているのかもしれません。
米国は一七七六年に建国されました。ピルグリム・ファーザーズが開拓を始めてから約百五十年で国ができたのです。それからさらに二百年ぐらい経ち、米国は超大国として世界に君臨するようになりました。
夢や目標、ビジョンに向かって
苦労することは、人生を豊かにする
レダは、国家メシヤたちによる開拓が始まってから、真の父母様の公館をはじめとする宿泊施設が整えられ、農場や魚の養殖場、飛行場まで備えられました。二十四年間で、ここまで設備を整えてこられた先輩家庭のご苦労には頭が下がるばかりです。
世の中では、「働かないで生きるには、どうしたらいいのか」と、論じられることがあります。人間は、仕事をする必要がなければ、本当に幸福になれるのでしょうか。そんなことはないでしょう。仕事があると、苦労することも多いですが、精神的にも能力の面でも成長することができます。何よりも達成感が得られるでしょう。汗水たらして働くことが敬遠される世の中ではありますが、私は、夢や目標、ビジョンに向かって苦労することは、人生を豊かにすると信じています。
人間は年を取ると、あの世のことをよく考えるようになります。「いつ、お迎えが来るのかなあ」「死んだら、どうなってしまうのだろう」と、漠然とした不安に駆られる年配の方も多くいます。
地上界で、どんなに力を持っていたとしても、「時」が来れば、必ず霊界に行きます。それならば、霊界が、「行きたい！」と思える所にならない限り、不安はなくならないでしょう。
霊界に対して、地獄のような暗いイメージしか持っていなければ、誰も行きたくはありません。一方で、美しい花々が咲き乱れ、これまでに愛の関係を結んだ人々が集う場所、そのような天国をイメージできたなら、いつ迎えが来てもいいと思うのではないでしょうか。
天の父母様（神様）と真の父母様は、私たち祝福家庭を愛し、天国に入籍できる位置まで引き上げようとしてくださっています。それが、神氏族メシヤの勝利です。私たちの宿命の道、神氏族メシヤを勝利して、天上にいらっしゃる真のお父様に喜びのご報告をできるように歩んでいきましょう。
真のお母様と一つになることで
不安や恐れは全くなくなる
昨年の七月以降、家庭連合は、ある面では地獄のようなところを通過してきました。毎日、ゆっくり眠ることができない人も多かったのではないかと思います。私もその一人でした。〝旧統一教会の指導者は全員殺す〟という脅迫文が届き、防弾チョッキを着て過ごしたこともあります。今では、ずいぶん減りましたが、街宣車が松濤本部の前に乗りつけ、大音量で罵声を浴びせたりもしました。
真のお母様は、家庭連合に対するバッシングが始まった当初から、背後に共産主義者、左翼勢力がいると指摘していらっしゃいました。ところが、私は、「お母様は、日本社会のことをよくご存じではないし、本当なのかなあ」と半信半疑で、政治家やマスメディアの動向ばかり気にしていました。
真のお母様の見識が正しかったことは、時間が経つにつれて明らかになりました。今もなお、左翼勢力はマスメディアに働きかけ、国会議員たちに影響を及ぼしながら、〝家庭連合つぶし〟のための世論を形成しているのです。
真のお母様は、私にお電話を下さり、「勝利は私たちのものです。何も心配せず、堂々と闘ってください」と激励してくださいました。そして、「こういうときこそ、伝道ができます。十倍化を目指すのです」と強く押し出されたのです。それは、私がちょうど力を落としていたときでした。
私は、真のお母様から十倍化の願いを受けた瞬間、手足の指先からエネルギーが注入され、それが頭まで到達するのをはっきりと感じました。そのとき、暗く覆っていた霊界は晴れていき、「はい！ 分かりました。必ず十倍化を勝利します！」と、誓いの言葉を発していたのです。不安や恐れは吹き飛び、〝お母様と一つになるということは、こういうことなのだ〟と実感しました。
これまでどおり地域社会と良好な
関係を築いていくことが大切
先日、相模原家庭教会（西神奈川教区）でバザーが開かれ、新規の来場者は二百七十二人でした。家庭連合のことが、マスメディアであんなに騒がれたにもかかわらず、それだけの人が集ったのです。
人の出入りが多かったので、警察官が、何か起こったのかと心配して巡回に来たそうです。彼らは、明るくオープンな教会の雰囲気や、食口と来場者たちが楽しく談笑しながら物品のやり取りをする姿を見て、家庭連合に対して抱いていたイメージがずいぶん変わったそうです。私は、その報告を聞いて勇気をもらいました。
私たちは、これまでどおり地域社会と良好な関係を築いていけばいいのです。そうすれば、マスメディアの〝偏向報道〟によってつくられたイメージは、自然と払拭されていくでしょう。
ある都市の市議会議員選挙では、反対ビラが大量にまかれる中で、祝福家庭の候補者が当選しました。その方は、地域社会に貢献したいという熱い思いを持って、昨年の二月から選挙の準備をしてきたそうです。
地域住民に、家庭連合の信徒であることは証ししているので、七月以降の激しい家庭連合バッシングの中では、苦しい選挙戦になることが予想されました。それでも、地域社会に活力を与えたいという信念を貫いて選挙戦を展開。周囲の熱心な応援を受けて上位で当選したのです。
この選挙結果を見ても、マスメディアの「国民の八十パーセントが解散に賛成」との報道は、信用に値しないということがよく分かります。世の中には、「家庭連合の人ほど、純粋で、地域社会のために生きている人はいません」と、私たちのことを証ししてくれる人がたくさんいます。マスメディアの戦略に絶対に負けないようにしましょう。
天の父母様、真のお父様、天使天軍、絶対善霊に届く切実な祈りを
マスメディアによる偏向報道との闘いは、法廷の場に移りつつあります。皆様も、家庭連合の顧問弁護士である福本修也弁護士をご存じでしょう。福本弁護士からは、法的な、さまざまなアドバイスを頂いていますが、終始、理路整然と説明をしてくれるので、頼もしい限りです。正に〝地獄で仏〟です。
情報番組での発言で名誉を傷つけられたとして、家庭連合が、読売テレビと出演者の紀藤正樹弁護士を訴えた裁判が、二月十三日に始まりました。その法廷でのようすが、テレビでも放映されましたが、家庭連合側が福本弁護士一人であるのに対し、紀藤弁護士の後ろには約三十人の弁護士がずらっと並びました。誰が見ても、応援する弁護士の数では負けています。そのような中、福本弁護士は相手を圧倒する答弁を行いました。正に、ゴリアテに立ち向かったダビデのごとき勇姿でした。
これまで、文部科学省が家庭連合に対して質問権を三度行使し、四度目もあると言われます。本部スタッフは、そのつど誠意を尽くして回答してきましたし、これからもその姿勢は変わりません。
何事も、力を合わせて困難を乗り越えたときのほうが、勝利の味は濃いでしょう。今、全国の兄弟姉妹の祈りが求められています。その切実で真剣な叫び声に、天の父母様、真のお父様、天使天軍、絶対善霊は、必ず耳を傾けてくださいます。
絶対善霊の数は、日本の人口をはるかに凌駕するでしょう。絶対善霊たちは、休むことなく、私たちを応援してくれるのはもちろん、日本国民に働きかけ、良心を呼び覚ますように役事してくださいます。
最近、真のお母様は、第二次天宙的カナン路程の目標について、神日本は、二〇二七年までではなく、二〇二五年までに勝利するように願われました。今後三年間で、神日本に、神の国としてふさわしい基盤をつくるように力強く訴えられたのです。
私たちは、天上の真のお父様と地上の真のお母様と一つになれば、不可能を可能にすることができます。私たち一人一人が、真の父母様の願いを胸に抱き、ピルグリム・ファーザーズのような開拓精神を持ってみ旨に臨むならば、必ず勝利することができるのです。
